中国人は留学に向けたTOEFL試験攻略に孫子の兵法を最大限に使う

TOEFLという英語の試験(留学用)があって、ものすごい数の中国人が受験しているらしく、中国国内のどこの試験会場も予約でいっぱいで大盛況らしい。

筆者はTOEFLの試験そのものには全く興味が無い。ただ、知り合いの中国人がTOEFLがどうのこうのと言って専用ソフトを使っているのを見て「中国人のTOEFL試験対策」には少し興味を持ったので調べてみた。

TOEFLの平均点数がアジアでも下位だから日本人の英語力も低いと言われている。実際、日本70点に対して中国は79点。それぞれの国の英語に自信がある人が受けているのだろうから、確かに結構差をつけられているようだ。

さて、このデータが意味するところは、点数どおり日本人より中国人の英語力が優れているということだろうか? それは分からない。ただ、知り合いを見る限り中国人が日本人と異なる戦略と戦術を以てこの試験に取り組んでいることがわかった。

まず、TOEFLという試験は受験料が高いという特徴がある。一回受けるだけで230ドル=23000円もする。10回受験すれば23万!
次に問題を公開しないという特徴がある。これでは過去問を解くという試験の王道的戦術が難しい。

つまり、この試験は数をこなして慣れることが非常に難しい試験であるようだ。大金を払わないと、孫子の兵法「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を実践できないような作りになっている。
だから、多くの日本人は予備校が作った想定問題とかで練習を重ねることになる。

さらに、この試験の特徴として点数にカウントされないダミー問題というものが出題されるようだ。過去問と同じならばそれがダミーだとある程度見分けることができるらしいので、予備校の想定問題より実際の過去問をやったほうが遥かに有利だ。逆に、有利になるから過去問を公開しないとかいろいろと制限があるのだと思う。

しかし、さすが孫子の国の中国。敵の調査には余念がないようだ。受ける人間が桁違いだから、ネット上でも様々な攻略法が飛び交っていてそれがシェアされ徹底的に研究されている。規則第一の日本ではこの方法は難しいだろう。このテストの場合、確か問題を他人に教えてはいけないという話もあったかと思う。

その情報共有の集大成とも言えるのが、知り合いの中国人がやっていた「中国TPO」といわれる攻略ソフトで、何十回分の過去問が組み込まれ、本番と同じ環境で受験できるので正に敵を知る最高の手段だろう。この秘密兵器の有無で、試験攻略の時間に大きな差が付きそうだ。

そんな便利なものが、何でもアリのいつものタオバオで100元(1500円)くらいで売られていたり、中国のTOEFL攻略サイトで無料で配られていたりするから、中国のTOEFL受験生には100%普及している。

中国人の点数が日本人より高いのは、このような教材が格安或いは無料で手に入るといった点も大きいのではないだろうか。つまり戦略としては知的所有権や契約を無視。その戦略から導き出された戦術としては過去問情報のシェアや本番と同等の環境でのトレーニングだ。

アメリカあたりに留学するならライバルは中国人の可能性が大きいのだから、相手の手の内をしっかりと調べないと勝てないということなのだと思う。もしかすると、それもテスト出題者の隠された意図なのかもしれない。

Listbrowserでネットを見る限り、中国TPOそのものは、日本でも一部には「中国問題」などとして知られているようだ。

ちなみに、中国語でTOEFLは「托福」。日本で有名なTOEICについては、中国では全く知名度がないようで、知り合いもそんなテストは知らないと言っていた。

なお、筆者は受験したことはありません。念のため。

日本の病院が中国人などの外国人を受け入れる場合の治療費は200%

無保険の外国人が日本の病院で診察治療を受ける場合、いくつかのパターンがあることが分かった。

1.外国人は診察治療費が200%になる病院。
2.基本200%だが、日本語ができれば日本人の無保険者と同様の100%の病院。
3.外国人でも100%の病院。

少なくてもお金さえ払えれば外国人であるからといって拒否されることはないと思うが、その費用には大きな差があることがわかった。

200%の費用が必要な理由を病院側に聞いたところ、外国人の場合、病院側で中国語などの通訳を用意しているところもあり、そのコストがダイレクトに跳ね返っているとのこと。
また、外国人自身が通訳を用意したとしても、第三者を通して話すと時間がかかり、それだけでコストの増加要因になってしまう様だ。

また、診察治療ではなく健康診断でも同様の傾向がみられ、日本語が可能かどうかによっても価格が変動するところもある。

このような200%対応を取る病院は医療ツーリズムなどの外国人受け入れに積極的な大病院が多い。しかし、大きな病院でも、確認すると100%でやってくれるところもあるので、医療機関によってその対応はバラバラになっているようだ。

無保険の外国人を日本の病院に連れていくときは、この点をよく確認をしたほうがいいだろう。なにせ診察治療費が倍額になるのだから。

日本人の無保険者と同じで100%払えばいいと考えていると痛い目を見る場合もある。

WEBサイトを速読するためのWEBブラウザListbrowser2016リリース

SEOやSEM(広告)に惑わされずに、必要な情報を検索できる無料ブラウザアプリ

リストブラウザの最新版、Listbrowser2016をリリース(2016年7月29日版)。

必要環境
Windows7 sp1 以上。

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日経BPさんのサイトに「検索結果を大量に「早見」できる検索専用ブラウザー」として紹介されていました。読むと作者の説明よりかなり出来がいいので、詳細はこちらをご覧ください。

修正点。
・ハイライト時のクラッシュ現象の修正
・Listbuttonの追加(タブレット用のリスト操作)。

ポケモンGO、中国版の配信はしてないが、パチモンGOならある

世間では、報道の自由を標榜していたジャーナリストへの文春砲以降、マスゾエさんの時からお茶の間の大好評コンテンツだった都知事の報道が何故か激減し、そのテレビの間隙を埋めるようにポケモンGOが凄いという話ばかりになり、任天堂が妙にニンマリするという、風が吹いたら、どこまで桶屋が儲かるんだろう‥という展開になっていたりします。

さて、そのポケモンGOですが、もちろん中国では配信していない状況です。
中国の政策として、海外で流行りのネットサービスが出てくると、まずは国内企業の類似品を育て、それが十分な競争力を持ってから、海外のオリジナルをちょっとだけ入れたり、全く許可しなかったりするわけです。

ポケモンGOはゲームというよりも、一種のプラットフォームになる可能性を秘めてますから、当然、国内企業優先になるはずです。といっても露骨にはダメとはいわずに、色々なハードルを設けて、海外ネット企業の動きを束縛するのが定石です。

例えば、中国の法律だと、地図自体、中国企業以外は提供できないはずだし、サーバも中国国内に設置する必要があるので、位置ゲーをリリースするには、中国企業との提携が必須なのではないでしょうか。

また、政府の重要施設に近づかないように確実にする必要があるだろうし、ポケモンを出現させて人を集めることができる仕様も変更を求められるかもしれない。

そんな面倒な許可やらなにやらやっているうちに月日は流れ、似通った中国製サービスにオリジナルがその座を奪われてしまうわけです。そんな理由でポケモンGOが中国で大成する可能性は低そうに思えます。

そこで、早速、パチモンGOがウォーミングアップを始めています。
その名も「城市精灵GO」
中国でポケモンGOは「口袋妖怪GO」ですから、妖怪か精霊かの違いはあるものの似ています。しかも、わざわざGOをつけて、俺がパクるぞ!と 自己主張感満々の名前に仕上がっています。

また内容も、現実の地図情報を基に、現実の場所にモンスターを捕まえに行って、それを育ててバトルするという点で同じようなものです。

このように、中国でポケモンGOが流行るためには、幾重にも乗り越えなければならないハードルがありそうです。

経産省調査 中国のIT人材は平均年収の7倍近い報酬を得ている

アメリカ、インド、インドネシア、ベトナム、タイ、中国、韓国、そして日本で、経産省がIT関連の人に対してアンケート調査を行っていて、その結果が公開されている。
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160610002/20160610002-8.pdf

日本のIT関連職は給料が低く、やりがいも無く、人気も無いという事が他国との比較で明らかにされているが、Σプロジェクト以来の伝統のお約束という感じで日本はIT人材が不足するからヤバイ! といういつもの結論になっている。
そんなこと、各国と比較しなくてもその辺りの派遣のSEとかPGとか捕まえて聞けば分かりそうなものだが、笑点みたいな伝統芸だから、そんなことを言っても仕方がない。

ぶっちゃけ、何十年も前から同じことをやっているのは、国も大変だと言いつつもSEやPGのブラック度なら大したことはないと思っているからなのだろう。
日本には整備士や技工士みたいな、国家資格なのに書かれたコメントを読むだけで、心が寒くなってくる本当に恐ろしい業界もあるのだから。
http://honne.biz/ranking/total/worst/
それに比べりゃ、全くブラックじゃないよと。

結局どうなるかといえば海外産のソフトが入ってくるから、別にIT技術者は不足しない。
何十年も前から不足すると言っていたけど、今も普通に社会が回っているのがその証拠だ。

現在、ソフトの一番の供給源はアメリカだろうけど、今後は中国も台頭してくるだろう。
連中の給料は高いと思っていたのだけど。平均年収の7倍近いのか。そりゃヤル気がでるだろ。
あちらは世界中から投資資金が流れ込んで、IT業界がものすごい勢いで拡大しているので高給払えるし、給料が高いから優秀な奴もくるんだろうね。
怪しいところもいっぱいあるけど。

経産省の資料によれば、日本は600万程度(高給すぎて本当なのか疑わしいが)で中国は400万弱。単純に円換算すれば日本のほうが給料が高いが、そもそも、中国のIT人材の年齢は日本よりだいぶ若い。年齢を統一したうえでの日本と中国の比較だったとしたら逆転しているのではないだろうか。

怪しいものでも有望そうならドンドン投資するという文化が存在せず、現実の儲けから導き出された金額がそのまんま給料になる日本では、永遠に同じことを縮小スパイラルでやっていくんだろうなと。

IT人材が足りない
給料上げるか?
海外のソフトがあるから間に合っている。実は不足してない。
だから、給料上げないし、むしろ下げる
でもIT産業に国際競争力を持たせたい(願望? 妄想?)
最初に戻る。

と、願望? あるいは省庁の予算獲得のネタとして、無限ループ中。

まずは、給料が上がらないことには。
このあたり、アベノミクスが今一つパッとしない理由と同じなのかも。エンジン全開でも空ぶかしなんじゃないかと。

中国のお金は日本の数倍の速度で動いている

爆買い現場にて‥

商品を撮影した写真を微信で中国側に送り確認し、相手がOKなら微信でお金を貰う。最後に商品を貰ったお金を使い微信で購入して終わり。

この取引の流れを見ていると、支払いサイトとかキャッシュフローとか現代経営学必須の事柄をすっ飛ばして、ものすごいスピードで人から人へお金が移動していることに気付く。

会社の経営では、モノを売ってからお金を回収するまでのタイムラグが死活問題になっていて、多くの会社は他人に支払うべきお金であっても、なるべく手元に留めておこうとする(キャッシュフロー経営)ので、お金の動きは限りなく遅くなってゆく。

日本の場合、看板方式とかモノの流れの最適化を図る方法はものすごく発展したのだけど、お金の流れはかなり微妙だ。大手企業が下請けに支払う場合に支払いサイトが120日必要になるとか、この時代にそんな具合だから、ECプラットホームもそれでいいと考えてしまっているのかもしれない。

だから、商品を売り上げても、ECプラットホームの運営会社からお金を貰うまで、一ヶ月とかそれなりの時間が必要になる。スピードが速いはずのEC会社がキャッシュフロー経営をやっているためだ。どうも、周囲のトロい奴に合わせてしまっている。護送船団方式?

即座に決済を行えるはずのECプラットホームが過去の遺物をそのまま踏襲しているというのは、怠慢ではないか。

しかし、中国では違う。タオバオであれば売り先が承諾すれば売り上げとほぼ同時に商品ごとに貰える(日本の場合、一月に一度まとめてとかいうのが多い)し、微信であれば相手が微信で支払った途端に貰える。ECプラットホームがお金の流れを妨げない。

中国の企業はなかなかお金を払ってくれないという話を、昔はよく聞いたし、今でもそれは普通にあると思う。これは日本のキャッシュフロー経営より悪質かもしれない。

ただ、中国のネット企業は、周囲がどうあれ、システムパワーで可能になったことを過去に囚われず行うことによって、大きな発展を手に入れている。

ニセモノ問題やマナーが悪いという面は確かに存在していて、それらは常に報道されていてみんな知っているけど、中国では金融版カンバン方式ともいえる高速で資金を動かすプラットホームがこの数年で完成しつつあるという面も知っておく必要があるだろう。

中国を脅威とする人もチャンスとする人も、どちらの立場でも様々な面からの情報が必要で、似たような情報だけでは何の役にも立たない。

中国ねこ事情。上海で猫を飼う③ 避妊手術

14年夏に拾ったときは生後2~3ヶ月。どんどん大きくなってゆく白黒モモ猫。秋が終わり冬の初めごろには3kg以上の体重になっていたと思う。年が明けて1月の終わりになると、夜中にニャー、ニャーと凄い勢いで鳴くようになった。

暫くしたら収まるかと思ったが、一向にその気配はない。猫は昼間にしっかりと睡眠を取りベストコンディションで夜中に鳴きまくるので人間の方が寝不足になってきた。

どうも発情期になったらしい。そういえばモモ猫も一歳近い。
鳴き声を止めるにはマタタビをあげるとか色々とある様だが、最終的解決には避妊手術しかないようだ。
室内飼いなので可能性は低いと思うが、メス猫の場合、避妊しておかないと猫がどんどん増えてしまうという話もあるので、手術をやることにした。

以前、猫を拾ったばかりのころ猫用品を買いに近くにあったローカルのペットショップに行ったときに、小汚い手術道具が置いてあったのを見たことがある。
この錆びたメスみたいなので施術しているのかと少し驚いた記憶があったので、上海で安心できる動物病院がないかと探してみた。

日本人が多い古北に近い呉中路に、日本人獣医師の居るところがあるというので行ってみることにした。
正伊動物診療所という動物病院で当然日本語も通じる。
http://www.zepets.com/hospital/index.html

設備もきれいだったので、ここでやってもらうことにした。麻酔をやって手術をするので、手術後すぐのモモ猫は瞳孔が開いている感じ。
ねこ

手術後は一日入院。一週間くらい後に抜糸。(糸が溶けるタイプではなかった。)それまではエリザベスカラーを付けるので、モモ猫もご飯やトイレがやりにくそうにしてた。
費用は2000元くらいしたと思う。高い。。が、ここは上海なので仕方がない。

避妊手術は、一回目の発情期を前に手術をするのがベストとのことだが、うちのモモの場合は後でも特に癖は残らず、以後発情期で鳴くことはなくった。
今でも夜中に走り回る場合はあるが。

手術前の雑談で、ネコを日本に連れてゆく手続きなどを代行できるような話をしていた。
中国から猫を日本に送る場合は、検疫関係でいろいろと面倒な手続きが必要なので、そういう場合にはお世話になると思う。

自動運転AIは必ず中国で花開く。その後、自動車産業の中心は中国に

自動車産業はとてつもなく裾野の広い産業だ。アベノミクスが頑張って円安を目指すのも、国の中核をしめるこの産業を後押しするという意図があるのだろう。
しかし、虎の子の自動車産業に危機が迫っているとしたら…。

日本の番組「今こそ!見たか日本の底力SP」というTBSの番組(4月27日放送)で、電動アシスト自転車をペルーに持ってゆく話をやっていた。ペルーのおばあさんがこれをもらって喜んでいるところを放送していて「日本の技術はすごい」的なナレーション。
いや、それすごいのか? と。中国の電動自転車は全く漕がなくていい。こちらの方が便利じゃないかと。
日本は道交法の関係で自走タイプは免許が必要になるので、電動”アシスト”自転車なるものを日本基準に合わせてメーカーが作ったのだろう。そういえば、日本ではセグウェイとかも公道を走れない。

日本はキッチリしているからなのか、国民性なのか、問題があった場合の許容値が非常に低い国だ。だから、セグウェイでも電動自転車でも、そう簡単に受け入れることができない。これは恐らく自動運転でも同じだろう。石橋を叩いて叩いて、叩きまくって初めて受け入れる事になるのに違いない。

中国の道を眺めていると、エンジンバイク、電動自転車、3輪電動自転車、電動スケボー、自動車などが入り乱れ、ナンバーの無い自動車やバイクも数多い。更にはバイクは完全に信号無視で突っ走る。つまり無茶苦茶だし適当だし事故も多い。これが上海の状況だから田舎の方は推して知るべしで、農民が作った外側だけスーパーカーとかが走っている。こうした状態が放置されているのは、問題への許容度が非常に高いからだろう。

いま、中国のIT企業が続々と自動運転車の研究を始めている。これは制御「ソフト」だから一瞬でコピーできる。コピーは得意技だからすぐに一定の水準まで追いつくだろう。
そして重要なのは、機械学習だから色々な事例を学習させたほうが優秀な自動運転ソフトになるということ。Googleが容量無制限の写真保存サービス「フォト」を提供しているのも、機械学習のためのデータを集める為だ。だから、中国の交通がカオス的であるのは非常に都合がいいし、柔軟な法律運用(人治主義とも言う)、新しいものが入ってきてもすんなり受け入れるのも自動運転の開発には好都合だ。

そうして、中国の大手IT企業で醸成された技術が徐々に野に下り、全く新しい企業が次々と誕生することになるのではないだろうか。自分の車を自動運転カーにする安価なキット(AndroidタブレットPC、GPUボード、センサー、アクチュエーター等からなる)が数年後タオバオに出回り、近所の自動車整備工場で適当に装着され、電動バイクの時のように、なし崩しで走り出すのに違いない。これはベータテストと商用利用を同時に公道でやるようなものだが、中国の交通状況からしてアリだろう。この適当さが中国の強みだ。

多少の事故より(中国の場合人よりAIのほうが事故が減りそうだけど)、運転の最適化による大気汚染解消のほうが急務だから、ウーバー(一応違法だけどほとんど放置)のように当局も目をつぶるに違いない。こうして機械学習は鍛えられ、最強の自動運転ソフトとなる。日本がもたついている間に自動車の頭脳を中国は手に入れ、いずれ手足に過ぎない自動車本体を支配することになる。

自動運転ソフトは更に進化を続け、ウーバーのような配車ソフトと連携してお金儲けモードが実装され、自分が乗らないときは勝手にほかの人を乗せて儲けることができるようになる。つまり、カーシェアリングが一般化し自動車の生産台数は大幅に減るのに違いない。近い将来、駐車している車は無駄とか、利回りが何パーセントかと言うかたちに車の所有者の意識が変わるだろう。

自動車つくってりゃいい。安売りするために円安にすりゃいいという安易さ。半導体立国と誇っていたら、いつの間にか周りの状況が全く変わっていたということが再び繰り返される可能性が十分あるのではないか。

今の電機メーカーのように自動車メーカーも凋落し、下請け産業からドライバーまで、ますます仕事がなくなりそう。正確にはある程度のスキルで可能な仕事がなくなるのだが、皆がAI屋に成るわけにもいかず、はっきり言って、ついて行けない。

10年以内に、国の屋台骨となっている既存の車産業が大打撃を受けるのは確実だから、仕事と消費を分離して消費者を創造しないといけない。

中国の方が日本より速く発展する理由。それはある資源が豊富だから

中国内陸部の村人に尋ねる「明日はもっと良くなるか?」と。「良くなる」と答える人が多い。「良くなったらいいな」ではない。

食生活もそこそこ豊かになり農村を車が走り、皆バイクを持っていて、都市部との格差はあるものの過去に比べ豊かになっているからだ。そんな答えが、重要な資源だとしたら?

成長戦略でよく言われる科学技術とか効率化による生産性向上も、多くの人々が豊かになるという意味なら効果的とは言えない。生産性の向上はモノを効率よく生み出せても、生産物が欲しいかは心の問題だし、さらに技術や仕組を考えた人間以外は儲からないのが今の商売の流れだから、消費者を作り出すことが難しいからだ。

科学技術の発達によって、今は生産力より消費力の向上がこそ重要で、そのためには「明日はもっと良くなる」という「思考」を多くの人間が共有している状況が必要だと思う。それがなければ最小限の消費しか起こらず生産性の向上はただの過剰生産にすり変わってしまう。逆にその思考さえあれば、科学技術など無縁のオンボロマンションでも高値で購入され得ることが中国で証明されている。

つまり、この思考は国の重要な「資源」で国家の競争力や行く末を決定づけるものだ。石油や科学技術を使うのは結局は人だし、それ自体に価値があるのではなくて値段をつける人=買う人の思考に価値がある。そして、思考が資源である以上、国によって豊富だったり不足していたりする。

中国は「思考資源」が豊富だ。まだまだ豊かさ慣れしていないのも中国の強みで、波はあるものの、しばらく中国は崩壊などしないはずだ。一人っ子政策の廃止後、2人目を産もうという知り合いの中国人が結構いるのは思考資源が順調に生み出されている証拠だと思う。もちろん、今後は高齢化などで、資源が欠乏に向かう可能性も大いにあるが。

逆に、日銀の人為的な政策でバブルを崩壊させ、積み上げた思考資源を一気に減らしてしまった日本は、今も豊かさから貧乏へ進んでいる途上にある。

しかも、豊かさ慣れしているから多少の変化では「思考資源」を産出することが難しく、資源欠乏に陥っている。アベノミクスで状況を打開しようと色々努力しているが成功には至っていない。ドル基準では給料が下落する円安政策、税・社会保障費の増額など、過去より豊かになるどころか、逆に貧乏になっているのだから当然だろう。

では、豊かになったという実感をいかに日本で作り出し「思考資源」を増やすか?
①日本の生活水準が発展途上国並みに落ちてから再び豊かになる。恐らく少なくても半世紀単位での時間が必要。取りあえず、何もしなくてもこの方向に進んでいる。
②BIを導入して消費力を向上させる。AIでいろいろ可能でも消費者になりえないから消費できる人間を作るのは重要だ。
③豊富な「思考資源」をもつ人々を移民させる。ただ、相手が日本に住みたいかは別問題。例えば中国人ならカナダが良いと答える人が多い。

①は放っておいても勝手に進むシナリオだし、③はこちらが望んでも相手のあることだから何とも言えない。②は消費力がモノをいうこれからの国力を考えた場合、アリなんじゃないかと。ただ財源をどうすんのというのはあると思うけど。

第④の選択肢として、公務員「オプション」というのはどうだろう。
「日本国民は必要な時に公務員になる権利を有す」という条文を日本の憲法に付け加え年金の支給開始年齢は80歳にする。BIの収入で公務員の仕事やってね。といった感じ。解雇されたら公務員。退職したら公務員。権利だから行使するかしないかは自由。リストラが予想される専業の公務員業界から反対させるだろうし各方面から文句の出そうだから、BIのほうが制度が単純でいいかもしれないけど、これなら公務員人件費を支給財源に多少なりとも組み込める。

「思考資源」の有無が国家の命運を決める時代。中国のように資源を増やせない日本は天地をひっくり返すくらいの事をやらないと発展途上国に逆戻りしてしまう。

アベノミクスが今一つ効果的でないのは、以前のようにドル基準での生産性を上げれば何とかなるという政策だからだろう。生産性よりも消費性が重要にも関わらず。

中国。大量の失業者を吸収しはじめたIT×人海の新産業

中心部から少し離れた郊外、上海南駅から数キロのところにある田林路では、数多くの飲食店が肉まんや麺類、小籠包など様々な料理を提供している。

小さな店ばかりなので、殆どの客が料理を持ち帰る。食べ歩き番組なら小さな店なのに美味いとか紹介が入るところだけど、このあたりは値段も味も普通だ。どう見ても平凡な飲食店街にすぎないのだけど、その周辺に群れる赤と黄色の大軍団だけは異様な雰囲気を醸し出している。

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小さな飲食店の周りに赤と黄色の軍団が電動バイクで集まっていた。何十人単位で居るだろう。その多くが若者で携帯をいじったり談笑をしたりしている。ナンバーの無いバイクばかりだけど盗んだバイクで走りだしたり青春を謳歌しているようには全く見えない。

暴走族をやって青春を謳歌しているような若者も上海には居るが、それは金持ちのお坊ちゃん連中で、飲食店前に集結するこの軍団とは全く住む世界が違うといえるだろう。

このレストラン前に居る軍団が何かといえば「百度外卖」、「美团外卖」の出前スタッフだ。仕組的には「UBERウーバー」の出前版といえばわかりやすいかもしれない。米国には「Grubhub」というものがあるのでその中国版ともいえる。

現在、中国の主要なネット企業の百度と美団がこの「IT出前」業界で覇権を競っていて、それぞれのコーポレートカラーが赤と黄色なので軍団のカラーリングも必然的にそうなっている。

サービス内容は、アプリで客から出前の注文が入ると、飲食店で頼まれた料理を買って客に届けるというものだ。出前の発達した中国では、こういう業態は昔から存在しているが、それを、ウーバーよろしくスマホのアプリでコントロールするようになったところが新しい。決済からなにから、すべてアプリ一つでOKだ。

注文用アプリを開くとレストランの一覧と配達時間が表示され、店を選択すると注文できる料理の一覧と値段がでるから必要なものを選べば注文完了となる。決済もアリペイとか微信で一発だから出前スタッフとの金銭のやり取りはない(百度の場合は百度の支払いアプリを使えば値引きがあるが、信頼性が低いので使う人は少ない)。百度と美団の企業間の競争が激しいので今のところ価格も安いし、GPSでスタッフ位置を管理しているので出前も速くて確かに使う側にとっては便利だ。

そんな便利さよりも、こんなに多くの若者が出前スタッフやっていることの方が驚いた。ヒマそうだしスタッフごとの付加価値や生産性はかなり低そうだ。給料も推して知るべしだけど、彼らに別の仕事があるかといえば難しいのかもしれない。

炭鉱や工場などで失業した地方の若者に、IT産業が新しい仕事を提供している状況なので基本的には良いことなのだろう。個人にとっては労働条件の悪化でも社会にとっては市場価値でその人間を雇って最適化ができたということになると思う。知り合いの中国人が言うには、出前産業は宅配便に続く人海産業になるのではないかということ。

ただ、このようなアプリで仕事をしている限りは豊かにはなれないし消費者になることもできない。IT時代の新たなる農民戸籍のようなものだろうか。

生きてはいけるけど、ただし最低限という状況。中国の場合、やっている人間が結構明るいのが救いかも。