中国インターネット事情

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マイナンバーはGoogleに比べて原始時代のよう

スケジュールは把握され、どの場所へ行ったか全て尾行監視され、すべてのメールを読まれ、撮影した写真も分析され管理される。 どのサイトを見たかはほぼすべて把握され、検索した言葉は当然知られている。

それらすべてのデータは、ディープラーニングにかけられ、私の特徴が計算機に認識されてゆく。 計算機はその特徴に従って、あの手この手で広告を出してくる。

しかし、別に強要されたわけじゃなく、便利だからこれを使っているだけだ。 ユーザーは、全てをさらけ出す代わりに、この便利さを手に入れた。 筆者の場合、ディープラーニングによって作られた「自分」モデルがどの程度「自分」なのか興味のあるところだから、なるべくGoogleにはいろいろな情報(ノイズを含め)を突っ込んで遊んでいる。最近、マイナンバーカードを一元化されたポイントカードにするという話が出てきた。 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6186548

個人の行動を一元的に把握しようとしている点で、考え方はGoogleと同じものだ。 クレジットカードや銀行の情報を押さえるという目的に対して、ポイントカードという手段を使い利便性に訴えるのも、これもまたGoogleと同じだ。

しかし、その手段と目的の繋がりが誰にでも簡単に理解できる点がGoogleとは大きく違う。 このプランは、目的が直感的に理解できるので、反射的に反対を呼ぶことになるだろう。

一方、Googleはどうか? 例えば、去年、Googleは容量無制限の無料の写真保存サイトを始めた。 つまり、Googleは、ハードディスクのコストよりも、さまざまな写真画像や動画に価値があると判断しているわけだ。人工知能を作るには莫大な量のデータが必要だから。

無料サービスで集まったデータによって、GoogleのAIは深層学習でどんどん鍛え上げられていくわけである。 これを使って何をするかというところだけど、一例を挙げれば、すでに誰と誰が繋がっているか、かなりの精度でGoogleは把握している状況にあると思う。 写真を無料で保存してくれるサービスという手段から、誰と誰が繋がっているかを機械学習で判定して、高精度のソシオグラムを構築し、広告等に活用しているという目的に直感的には繋がりにくい。 だから、なんかGoogleは使ってしまう。

つまり、手段から目的が直感的にわかるマイナンバー・システムは、Googleと同じことをやろうとしているのに、妙に原始的だと思ってしまうのだ。

ちなみに、今回の報道。コメントを見ていると、ポイントカードが一元化されると聞いて、ポイント自体も一元化されると、直感的に考える人が多いようだ。「囲い込みができなくなる」などの書き込みからも明らかだ。

しかし、それは間違っていて、マイナンバーカードという一枚に対して、現状存在する複数のポイントサービスがそれぞれポイントを付与するだけだと、少し考えれば理解できる。しかし直感ではわかりにくいのだろう。 いやいや、この部分は目的とは逆に、直感で理解できるようにしないと。 なんか大失敗の予感がすでに漂っている。

ユーザーに訴えかけるコンセプトやインターフェイスの部分は直感的で解りやすく、目的が分かりにくいGoogleはすごいということで。

Googleからすれば、マイナンバー? そんな旧式の個人追跡システムをまだつかってんの? しかも巨額の投資をして。。という感じではないだろうか。また貴重な人材が時代遅れなプロジェクトに。