中国人は留学に向けたTOEFL試験攻略に孫子の兵法を最大限に使う

TOEFLという英語の試験(留学用)があって、ものすごい数の中国人が受験しているらしく、中国国内のどこの試験会場も予約でいっぱいで大盛況らしい。

筆者はTOEFLの試験そのものには全く興味が無い。ただ、知り合いの中国人がTOEFLがどうのこうのと言って専用ソフトを使っているのを見て「中国人のTOEFL試験対策」には少し興味を持ったので調べてみた。

TOEFLの平均点数がアジアでも下位だから日本人の英語力も低いと言われている。実際、日本70点に対して中国は79点。それぞれの国の英語に自信がある人が受けているのだろうから、確かに結構差をつけられているようだ。

さて、このデータが意味するところは、点数どおり日本人より中国人の英語力が優れているということだろうか? それは分からない。ただ、知り合いを見る限り中国人が日本人と異なる戦略と戦術を以てこの試験に取り組んでいることがわかった。

まず、TOEFLという試験は受験料が高いという特徴がある。一回受けるだけで230ドル=23000円もする。10回受験すれば23万!
次に問題を公開しないという特徴がある。これでは過去問を解くという試験の王道的戦術が難しい。

つまり、この試験は数をこなして慣れることが非常に難しい試験であるようだ。大金を払わないと、孫子の兵法「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を実践できないような作りになっている。
だから、多くの日本人は予備校が作った想定問題とかで練習を重ねることになる。

さらに、この試験の特徴として点数にカウントされないダミー問題というものが出題されるようだ。過去問と同じならばそれがダミーだとある程度見分けることができるらしいので、予備校の想定問題より実際の過去問をやったほうが遥かに有利だ。逆に、有利になるから過去問を公開しないとかいろいろと制限があるのだと思う。

しかし、さすが孫子の国の中国。敵の調査には余念がないようだ。受ける人間が桁違いだから、ネット上でも様々な攻略法が飛び交っていてそれがシェアされ徹底的に研究されている。規則第一の日本ではこの方法は難しいだろう。このテストの場合、確か問題を他人に教えてはいけないという話もあったかと思う。

その情報共有の集大成とも言えるのが、知り合いの中国人がやっていた「中国TPO」といわれる攻略ソフトで、何十回分の過去問が組み込まれ、本番と同じ環境で受験できるので正に敵を知る最高の手段だろう。この秘密兵器の有無で、試験攻略の時間に大きな差が付きそうだ。

そんな便利なものが、何でもアリのいつものタオバオで100元(1500円)くらいで売られていたり、中国のTOEFL攻略サイトで無料で配られていたりするから、中国のTOEFL受験生には100%普及している。

中国人の点数が日本人より高いのは、このような教材が格安或いは無料で手に入るといった点も大きいのではないだろうか。つまり戦略としては知的所有権や契約を無視。その戦略から導き出された戦術としては過去問情報のシェアや本番と同等の環境でのトレーニングだ。

アメリカあたりに留学するならライバルは中国人の可能性が大きいのだから、相手の手の内をしっかりと調べないと勝てないということなのだと思う。もしかすると、それもテスト出題者の隠された意図なのかもしれない。

Listbrowserでネットを見る限り、中国TPOそのものは、日本でも一部には「中国問題」などとして知られているようだ。

ちなみに、中国語でTOEFLは「托福」。日本で有名なTOEICについては、中国では全く知名度がないようで、知り合いもそんなテストは知らないと言っていた。

なお、筆者は受験したことはありません。念のため。