中国人留学生が日本の大学の序列を変えるかもしれない

一度教室に入ったら5時間ぶっ続け。トイレにも行かずにひたすら先生も生徒も授業を続ける。
膀胱炎にでもなりそうな話だが、中国人留学生の通う塾の一風景だ。
とにかく徹底的に勉強させるので有名校への合格率が高く、入塾予約が殺到。
斜陽産業だと思われていた日本の教育産業のなかで、これらの塾は驚異的な成長率を誇っている。
今後、参入企業はさらに増えるのではないだろうか。

これだけ勉強しているのだから、中国人予備校が輩出する人材レベルは、既に日本の予備校レベルを遥かに超えている状況にあるのかもしれない。
合格したからといって入試は外国人枠なのだから、一概に日本人学生と比較はできないと考える人もいるだろう。
そこで、最初から平均点でぼろ負けしているTOEFL以外で、日本人も中国人も無差別に受ける試験を探してみた。

ERE 経済学検定試験 というものがある。
http://www.ere.or.jp/
社会人や社会科学系の学部生などを対象に、全国規模で経済学のレベルを判定する試験とのこと。
日本人向けの日本語による試験だが、いくつかの大学院で筆記試験の代わりに採用されているため、日本人に混じって中国人留学生も受験しているようだ。

試験結果のデータを見ると、上位層は殆ど中国人で占められていることがわかる。(院試で利用されているEREミクロ・マクロの順位 以下URLページの下部)
http://www.ere.or.jp/results/achiever.html

つまり、日本人と中国人が日本に於いて同じ試験を受験しても、中国人留学生のほうが結果を出しているともいえるわけだ。
もはや外国人枠のほうが簡単だとは言えず、今後は外国人でも一般入試に応募する人が出てくるのではないだろうか。

さて、このレベルの人々がどの日本の大学へ行くのだろうか?
それは、ズバリ東大と早稲田だろう。

中国人が知っている日本大学ランキングは、
1位東大
2位早稲田
3位その他
これがそのまま進学する大学になる。京大や一橋に合格したけど、あえて早稲田へ行くという人も数多い。
中国で知名度があるので、本国での就職に有利だからだ。また、都心にあるというのも、早稲田がいいという点らしい。
他の大学が追随するとしても、一朝一夕に中国におけるブランドを構築することは難しい。
早稲田にはポジティブ・フィードバックが働いて、今後、ますます優秀な留学生があつまりそうだ。

海外から優秀な人間が入ってくることを考えると、日本人学生にとっても、少子化に強いという点で有望な大学なのかもしれない。

中国人は留学に向けたTOEFL試験攻略に孫子の兵法を最大限に使う

TOEFLという英語の試験(留学用)があって、ものすごい数の中国人が受験しているらしく、中国国内のどこの試験会場も予約でいっぱいで大盛況らしい。

筆者はTOEFLの試験そのものには全く興味が無い。ただ、知り合いの中国人がTOEFLがどうのこうのと言って専用ソフトを使っているのを見て「中国人のTOEFL試験対策」には少し興味を持ったので調べてみた。

TOEFLの平均点数がアジアでも下位だから日本人の英語力も低いと言われている。実際、日本70点に対して中国は79点。それぞれの国の英語に自信がある人が受けているのだろうから、確かに結構差をつけられているようだ。

さて、このデータが意味するところは、点数どおり日本人より中国人の英語力が優れているということだろうか? それは分からない。ただ、知り合いを見る限り中国人が日本人と異なる戦略と戦術を以てこの試験に取り組んでいることがわかった。

まず、TOEFLという試験は受験料が高いという特徴がある。一回受けるだけで230ドル=23000円もする。10回受験すれば23万!
次に問題を公開しないという特徴がある。これでは過去問を解くという試験の王道的戦術が難しい。

つまり、この試験は数をこなして慣れることが非常に難しい試験であるようだ。大金を払わないと、孫子の兵法「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を実践できないような作りになっている。
だから、多くの日本人は予備校が作った想定問題とかで練習を重ねることになる。

さらに、この試験の特徴として点数にカウントされないダミー問題というものが出題されるようだ。過去問と同じならばそれがダミーだとある程度見分けることができるらしいので、予備校の想定問題より実際の過去問をやったほうが遥かに有利だ。逆に、有利になるから過去問を公開しないとかいろいろと制限があるのだと思う。

しかし、さすが孫子の国の中国。敵の調査には余念がないようだ。受ける人間が桁違いだから、ネット上でも様々な攻略法が飛び交っていてそれがシェアされ徹底的に研究されている。規則第一の日本ではこの方法は難しいだろう。このテストの場合、確か問題を他人に教えてはいけないという話もあったかと思う。

その情報共有の集大成とも言えるのが、知り合いの中国人がやっていた「中国TPO」といわれる攻略ソフトで、何十回分の過去問が組み込まれ、本番と同じ環境で受験できるので正に敵を知る最高の手段だろう。この秘密兵器の有無で、試験攻略の時間に大きな差が付きそうだ。

そんな便利なものが、何でもアリのいつものタオバオで100元(1500円)くらいで売られていたり、中国のTOEFL攻略サイトで無料で配られていたりするから、中国のTOEFL受験生には100%普及している。

中国人の点数が日本人より高いのは、このような教材が格安或いは無料で手に入るといった点も大きいのではないだろうか。つまり戦略としては知的所有権や契約を無視。その戦略から導き出された戦術としては過去問情報のシェアや本番と同等の環境でのトレーニングだ。

アメリカあたりに留学するならライバルは中国人の可能性が大きいのだから、相手の手の内をしっかりと調べないと勝てないということなのだと思う。もしかすると、それもテスト出題者の隠された意図なのかもしれない。

Listbrowserでネットを見る限り、中国TPOそのものは、日本でも一部には「中国問題」などとして知られているようだ。

ちなみに、中国語でTOEFLは「托福」。日本で有名なTOEICについては、中国では全く知名度がないようで、知り合いもそんなテストは知らないと言っていた。

なお、筆者は受験したことはありません。念のため。

中国の待機児童

中国の病院に行くと、女医さんをよく見る。
統計を調べてみると医師の約半数が女性と、20%弱の日本より遥かに女性の割合が高い。
そういえば、路線バスの運転手も女性が多いし、知り合いの中国人はみな共稼ぎだ。

奇妙な話だが、中国では女性が輝く社会がすでに実現されているということになる。

保育園に行く子供は都会のほんの一部で、子供の面倒は夫婦どちらかの親が見るのが当たり前になっている。
親と同居していない場合はどうしているかといえば、子供を実家に預ける。
民工(出稼ぎ労働者)だと、実家に帰るのは春節に一回の場合も多い。
年一回の親の帰りを待って、実家のある村で待機している児童が沢山いる。

そこまでして共働きする理由は二人で稼がないと暮らしていけないという生存環境の厳しさがある。
ひとたび病気になれば大金が必要とか、老後の保障が何もないとか。
つまり、生き残るために必要だから共稼ぎをやっているわけで、そこから子供の処遇を含めたすべての行動が始まっている。

中国という現実からわかることは「女性が輝く社会」は生存環境が厳しくなると実現するということ。
逆に日本の場合は生存環境が緩いから実現していないとも言えるだろう。

「公共の保育園に入れない」が日本では「待機児童」とされている。
もし待機児童をゼロにするとしたら、現在民間施設を利用していたり、そもそも利用していない潜在的な利用者の親も公共施設に行かせる。
公共施設のほうが安くて施設も充実。バックが国で安心。民間施設を使う理由が全くない。

公共施設のほうが優れている理由は単純に税金が投入されているから。
もし、税を投入せずに子供を預ける親にコストを全部回せば待機児童問題は無くなるのではないだろうか。
親も自分の収入と相談して、自分でみるか、親に預けるか、ある程度安い民間に入れるか、高コスト体質の元公共施設に入れるかという選択になるから。

公共施設で待機児童ゼロということは損得勘定抜きだから最適化は起こらない。つまり競争力が低下する。
老人に3万円ばら撒くより待機児童に資源を投入したほうが価値があるとおもうが、行政が何でもやるというのは無理があると思う。

隣に中国という大国があり、中国を含めた世界中の国との経済競争して日本は生活している。
その競争に負けた場合の「悲惨」を日本の人々は忘れてしまったのかもしれない。

中国には敗北が持つ生々しい恐怖が今も存在し、必然として中国の「待機児童」は生まれ、日本やアメリカとの激烈な競争に挑んでいる。
彼らは勝利するつもりだ。勝ってより豊かになるつもりでいる。

日本の「待機児童」の親に迎撃準備は出来ているのだろうか。日本の知恵が試されているわけだ。
知恵を必死に絞っているから、中国より今のところ生活水準が高い筈だから。

【中国の有名大学】復旦大学が最近発表した110周年記念用の動画が東京大学のプロモーション動画に似ていると中国で話題に

この話題、中国のWeiboなどで話題になっている。動画自体はいかのようなものだ。
復旦
http://video.sina.com.cn/p/news/c/v/2015-05-28/091964994837.html
東大
http://video.sina.com.cn/p/news/o/v/2015-05-28/091964994833.html

この件について、日本側がパクリじゃん! と言うのはいつもの話。

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だから13億の……は、神話です。現実を見ましょう

13億の巨大市場。だから魅力的だ。
13億の人口がある。だから、国力が大きいし怖い。
この13億という巨大な数字が一人歩きして、中国を見る目を狂わせているようです。

しかし、本当にライバルになったり、市場になるのは、2、3億ではないでしょうか。
日本の倍程度で、アメリカと同じくらいの人口を持つ国。まあそれでも、アメリカと同じくらいなのだから十分凄いのですが。

中国には、確かに13億の人口がいるのだとは思います。物理的には。
しかし、凡才が天才・秀才を押しのける人材無駄遣いシステム(大学入試システムの地域間格差)によって、中国が本来発揮できるはずの力を今一つ発揮できずにいるわけです。
中国には中国の都合(都市部の既得権益者の声が大きいとか)があって、このようなシステムになっているのだとは思いますが、結局のところ、国力は資源とか国土の広さではなく人間力なのだから、いかに優秀な人間を育成できるかが国の競争力の源泉となるはずで、そこが大きく歪んでいるというのは致命的なのではないかと思うわけです。

つまり、何が言いたいかと言うと、2、3億の中で競争が完結していて、残りの10億は競争に参加するチャンスがない傍観者となっているわけです。
また、教育水準によって獲得できる富が変わる現代社会では、有望な市場もこの2、3億に留まるでしょう。

もし、この歪みを今すぐに修正したとしても、学校を卒業してしまっている人間の方が多いですから、今後何十年にわたって影響が継続し、中国で高齢化が大きく進展する時代になってもその影響は続くはずです。
過去に戻って教育は取り戻せませんし、人材の再配置もほぼ無理です。

13億 VS 1億2千だと不安にもなりますが、実質的には 2、3億 VS 1億2千と考えることができるわけです。
中国自身が競争しない仕組みを内在しているから、日本は残り10億とは特に競争をしていないとも言えます。

だから、必要以上に恐れる必要もなければ、言うほど魅力的な市場だと考える必要もないのだろうと思います。
もちろん、2、3億の巨大市場であることには変わらないのですが、「13億」と強く言うならちょっと眉唾で現実を見た方が良さそうです。