宅配便の再配達問題。中国ではちゃんとビジネスになっている

昨日、中国のECモール、京東市場で購入したものを受け取れないので、再配達して欲しいと頼んだらそんなもの出来ないとあっさり断られた。
大体の人は職場で受け取ったりしているし、彼らも忙しいから日本のようなサービスを期待するなということだろう。

配達人はマンションの保安のところに預けると言うが、管理が杜撰なので稀になくなったりするから嫌だと断ると、有料の荷物預かり所なるものを紹介された。

その場所はマンション内にある個人商店が有料で荷物を預かるというサービスを提供しているだけで、何でも商売になるものだと感心しつつ、そこにお願いすることにした。
後ほど、その個人商店を訪れて、お金を払い問題なく荷物を受け取ることができた。

日本の宅配便は何度も無料で再配達してくれるが、それは新しいビジネスの芽を奪っているのかもしれない。
再配達はもちろん、安全な荷物の保管場所も決して無料ではあるまい。
それを無料で提供する日本のシステムはサービス残業のようなもので、一銭たりともGDPを増やす事に貢献していない。

この中国の事例を日本で実行するなら、1度目は家まで配達する。不在なら近くのコンビニに預ける形がいいと思う。

中国のように預け代を取るのかは別として、これなら、今すぐにでも可能だろう。

コンビニ側も荷物を取りに来る客が増えてついでに買う可能性もあるから、悪い話ではなさそうだし。保管料を取れば売上に直結する。

客側も、持って帰られるとその日に受け取れない可能性があるが、コンビニに預けておいてくれれば、その日に受け取れるから、それなりにメリットがある。

日本のようにおもてなしやらサービス残業やらで何でもかんでも無料でやっていると、経済成長しないし、新しいビジネスや効率化、最適化の邪魔になっている。

再配達問題については、中国に合理性がありそうだ。

iCloudカレンダー(iPhone、MAC)の出席依頼を使った新種スパム、再び中国より到来か?

Macbook pro 買った。

設定してみたらiPhoneと同じように中国からのカレンダースパムが表示される。iCloudカレンダーにデフォルトで接続されてしまうのだから仕方がない。iPhoneしかりMACしかりというわけだ。黙ってカレンダーアプリのアカウントにあるiCloud「このアカウントを使用」のチェックを外し、代わりにGoogleカレンダーを追加した。抜本的ではないが、表示だけは一応消えます(クラウド側には残されたままなので)。

3週間前、11月初めの1度目の来襲の時、Apple社に真っ先にこの新型スパム報告して対策を求めたのに、まだ何もやっていないのか、Apple社が無為無策で手を拱いている間に、再び大規模なスパム攻撃が11月最後の週末にかけて行われたようだ。

iphone カレンダー 出席依頼 スパムの第二波が来襲。

中国側のスパムチームがスパム攻撃ツールを完成させているのは明らかで、再攻撃は時間の問題だと前回に書いたが、今回それが実行に移された。

今回のスパムで利用された「出席依頼機能」自体はGoogleカレンダーにもある。しかし、Googleカレンダーではこれほど大量のスパムが表示されることはない。つまり、Googleはスパム行為を厳しく監視していることを意味していると思う。もちろん、Googleが完全に安全だと言えるわけではないだろうけど。

Appleのクラウドは、その問題対応スピードも含めて大きくGoogleに劣るということなのだろう。このスパムをブロックしようと思えば、それほど難しい技術的ハードルがあるわけではない。単純に同じ文章を何度も書き込む奴や異常なくらい大量投稿してくる奴を締め出せばいいだけだ。それにもかかわらず、1度ならず、2度もあっけなく大規模攻撃を許したとなると、そう考えざる得ない。

せめて、2030年過ぎまで延々と知らない予定で埋められたカレンダーをユーザー側が消せないというなら、Apple社側が特権で削除するくらいのサービスはして欲しいところだ。

もう、iCloudカレンダーは使わないけど、Apple製品を買って設定する度にこれが表示されるのはとても鬱陶しいしうんざりする。

追記 20161130
昔、ツイッターアカウントを乗っ取り、偽レイバンサイトのスパムをやっていた中国のスパムチーム‥

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1501/26/news125.html

この連中が、今回のiCloudカレンダースパムを引き起こしたのだろう。また同じ、偽RayBan(レイバン)の宣伝やってる。日本hp RayBan買いだめ2折。。「2折」って日本ではこんな言い方はしない。

非常に迷惑な連中だけど、こんな数さえ送ればいいというスパムに引っかかる人はほとんど居ないだろうし、額面通り目的は本当にスパムによる宣伝なのかな? 宣伝にしては仕事が適当すぎるというか。むしろ米国IT企業の信用失墜により効果が上がってるのだけど。

iCloudカレンダーを使った新種スパム、中国より到来【新加坡金沙って何?】

Androidをずっと使っていたが魔が差してiPhone7plus買う。

早速設定して、アプリを立ち上げたりしているとき、Googleカレンダーの代わりにiPhoneにはiCloudカレンダーがあるのかと眺めていると、身に覚えのない中国語の予定が知らぬ間にこれでもかというくらい登録されてた。iPhoneのカレンダーがスパムに埋め尽くされていて、初iPhoneが届いてすぐに途方に暮れることになる。

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クラウドだから同じスケジュールをPCのブラウザでも見れるので、そちらも見てみると全く同じ状況。こりゃ参った。

新加坡金沙(22700700.com),注册送58元,首次存款10元再送20元,百家乐、老虎机、体育竞猜、时时彩等百种博弈游戏,存取款30秒,支持微信、支付宝、第三方、银联等快捷支付!

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まだiPhoneを使い始めたばかりなのに、既に2030年12月まで未来の予定でいっぱい。15年分のスケジュールがギッシリ。iPhoneのカレンダー大丈夫か???

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もしかして、iCloudにあるデータをハッカー様に抜かれた?

そこで、Appleのサポートに電話してみるとiCloudカレンダーには「出席依頼機能」というものがあって、AppleID=メールアドレスを知っている人間なら誰でも招待状を送り付け、カレンダーのスケジュールを占有できることがわかった。
Appleの担当が言うには、この報告事例は初めてらしく新種のスパム攻撃であるらしい。

データの漏れは無かったが、第三者が勝手にスケジュールに書き込むことができ、しかもこれを拒否する手段もなければ、削除することも一切できないという。今時、Appleという最先端IT企業にしては、ステキすぎるセキュリティ仕様のiCloudカレンダーであった。

この中国スパムチーム。広告のためにスパムしているのだろうけど、とにかく量が大切だという思想のもと2030年まで全力で埋めてくれたおかげで、怪しさ全開。誰もこのサイトを見に行くことはなく広告効果はゼロに近いだろう。一体何をしたいのか不明だが、AppleやiCloudカレンダーの信頼を棄損するには役に立ったのでは?

広告にせよ、Appleを貶めるのが目的にせよ、こんなこと中国の人件費も高いのでいちいち人海戦術でやっている筈もなく、iCloudカレンダー向けスパムボットを開発したのに違いない。ということは、Appleが改善しない限り、今後はこの手の被害が増えることになる。なにせ、アップルIDはメールアドレスに過ぎず、公開情報だから収集は非常に簡単だ。

Appleにはオープンすぎるお花畑仕様をやめてもらって、第三者からの出席依頼を拒否する機能とそれを削除する機能を可及的速やかに実装してもらいたい。

そもそも、これだけのスパム的連続書き込みが第三者から行われているにも関わらず、一切ブロックしないなんて、クラウドの仕様としてはセキュリティホールに近い。今時、初心者が作った掲示板スクリプトでも同一文の連続書き込みしたら、拒絶するように作るだろうに。

同一IDからの大量書込みや同一文書込みを拒絶していれば、ここまで酷いことにはならなかったはずだし、きちんと監視していれば何らかの対策を講じることも不可能ではない。一番の問題点はここで、Apple側ではiCloudに対するスパム行為を全く監視していないのかもしれない。

Appleの担当は本社に伝えると約束してくれたものの、いつ改善されるのか全く不明なので、取り合えず、AppleIDのメールアドレスを別のものに変え、iCloudカレンダーの利用を中止してGoogleカレンダーを使うことにした。一般的な話にすぎないがGoogleはスパム行為を厳しく監視しているので。

もし、icloud.comのメールアドレス取得していると「出席依頼」があるたびにメールが飛んでくるらしい。筆者は使い始めたばかりで設定していなかったので助かったが、設定していたら凄い数のメールが来たのに違いない。

今回、iPhoneを初めて購入して即座にトラブったわけだけど、Appleのクラウド部分は完全にGoogleに水をあけられている感じがする。

今回のスパムは怪しすぎて全く効果がなかったのに違いないが、このセキュリティホールを使ったうえで、送り先に合わせて作られたスパム(知り合いの名前等が書かれているとか)がやって来たとしたら、思わずそこに書かれたURL等を開いてしまうかもしれない。iCloudを使う場合は今後も注意が必要だろう。

Uberが自動運転車で未来にやろうとしている事を、自転車で今実現した中国の新ビジネス【mobike 摩拜单车】

中国と言えば濁流のように街を流れてゆく自転車の大群を思い浮かべる方も多いのではないだろうか。ほんの一昔前にあったこの光景は今は車やバイクに取って代わられ大気汚染を引き起こし、その澱んだ空気が日本にも流れ込んでPM2.5問題を引き起こしている。自転車大国だった中国は今や自動車大国となっているのだ。

自動車大国となった中国では、自動運転車の開発には続々とIT企業などが参入し開発が急ピッチで進んでいるが、この分野での世界の覇権を狙うと同時に、運転の最適化による資源の節約と環境負荷の低減といった目的も存在していると思われる。

また、Uber的な商売は中国では一般的で、最近は筆者もタクシーにほとんど乗らずこういったサービスを利用している。日本と違ってこの手のサービスが一般的になったのは、タクシーの既得権よりも環境負荷の低減のほうが優先されたためだろう。こちらも中国における自動運転研究の方向性と同じで、皆が皆、車を持ち始めたら、この国は一体どうなるという大きな危機感があるのに違いない。

中国にとっては、自動運転車もUber的カーシェアリングサービスも、危機を克服するために必要不可欠だと思われているのだろうし、将来はこの両者が結合してより進んだサービスが提供されることを中国の人々はしっかりと見通しているのだ。車のエンジンハードを改善して数パーセントの燃費向上に資源を注ぐよりも、はるかに大きなインパクトを与えそうなソフトウェアに重心を置いている。

カーシェアリングサービスが最終的に目指しているのは、車を皆が所有するのではなく最低の台数をシェアして現在または将来の移動需要を満たすことだろう。交通の最適化ができれば、余計な車が道を走ることもなく、渋滞も引き起こされない。そのためには人間を超えた管理が必要だろうしドライバーが居なければより安く便利にこのサービスを提供することができる。安くて便利なら自家用車よりこちらを選択する人が主流になるだろうから、これなら環境負荷を大きく低減可能だろう。

自動車というハード自体をユーザーは買わなくなり移動のみを購入するようになるから、ハードの提供は現状のように一般車を利用するのではなく、Uberのような会社自身が、デポジットを利用者から徴収して提供することになるのに違いない。この場合、日本が得意とするエンジンの燃費よりも、利用予測や最適ルートの選択などのソフトウェアが重要になる。自動車産業の在り方を劇的に変えるインパクトが今後5年程度で訪れる。

どんな車が提供されるかと言えば、長期連載が終了するジャンプのこち亀に乗り捨てタクシーなるアイディアが披露されていたが、あんな感じになるのだとおもう。つまり他人が居ない状態で乗り捨てができるシェアされた車だ。漫画では自分で運転するようになっていたが、実現するものは自動運転車になるだろう。

さて、こち亀の乗り捨てタクシーの話、無人の自動車では2016年現在自動運転の技術が確立していないので難しいが、無人の自転車ならどうだろうか。自転車に乗り適当なところで乗り捨ててる。その自転車を他の誰かが乗りまたそれを乗り捨てる。料金は何らかの方法で回収するという新ビジネス。これなら技術的な問題はなさそうだ。このビジネス実行しようとしても、日本なら放置自転車として行政に回収されてしまうのに違いない。しかし、中国は違うようだ。

中国の街中をよく見れば、歩道の半分が駐輪場になっていたり、自転車専用道があったりと自転車大国だったときの名残があちらこちらに残されていて自転車に対して非常に寛容な政策が取られていることがわかる。今では自転車より数が多いバイクがこれらの施設を利用しているが、もちろん自転車でも利用可能だ。

最近、上海の街を歩いていると銀色フレームにオレンジ色の車輪の自転車をよく見かける。それらの自転車は歩道に放置されていたり、自転車置き場に置いてあったり、或いは人が乗っていたりするが、すべて同じものだ。車体にはQRコードあり、サドルに「用車1元」と書いてある。

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これぞまさしく乗り捨てタクシーならぬ乗り捨て自転車! Uberが自動運転でやろうとしていることは、現在の技術だと「自動車」なら難しいけど「自転車」なら今すぐにできるわけだ。自動運転も要らないし。しかも都市部なら2~3km移動したい時も多いから自転車で十分だし、環境負荷も低い。

ビジネスの仕組みはこんな感じ。自転車版Uberみたいなアプリで料金決済や自転車のロックの解除(QRコードを読み込んで開く)、自転車がある場所の検索が行える。専用自転車にはGPSや携帯が搭載されていて、中央サーバに位置情報や課金情報を送信している(たぶん)。客は必要なときに使って、自転車をロックした上で歩道なんかに乗り捨てる。GPS搭載とはいえ、行方不明になる自転車も多そうだけど、そういったロスを考慮に入れても利益が出ると判断したのだろう。

app

やっているのは「北京摩拜科技有限公司」という会社。商標はmobike。社長は元Uberの人間だ。どうりでUberが未来にやろうとしていることを今できたわけだ。

http://mobike.com/

かつては自転車王国と言われたこの中国で、この自転車を使ったニュービジネスは根付くのだろうか。こういったものが成功すれば確かに中国の環境は若干にしろ良くなると思うのだが。

ポケモンGO、中国版の配信はしてないが、パチモンGOならある

世間では、報道の自由を標榜していたジャーナリストへの文春砲以降、マスゾエさんの時からお茶の間の大好評コンテンツだった都知事の報道が何故か激減し、そのテレビの間隙を埋めるようにポケモンGOが凄いという話ばかりになり、任天堂が妙にニンマリするという、風が吹いたら、どこまで桶屋が儲かるんだろう‥という展開になっていたりします。

さて、そのポケモンGOですが、もちろん中国では配信していない状況です。
中国の政策として、海外で流行りのネットサービスが出てくると、まずは国内企業の類似品を育て、それが十分な競争力を持ってから、海外のオリジナルをちょっとだけ入れたり、全く許可しなかったりするわけです。

ポケモンGOはゲームというよりも、一種のプラットフォームになる可能性を秘めてますから、当然、国内企業優先になるはずです。といっても露骨にはダメとはいわずに、色々なハードルを設けて、海外ネット企業の動きを束縛するのが定石です。

例えば、中国の法律だと、地図自体、中国企業以外は提供できないはずだし、サーバも中国国内に設置する必要があるので、位置ゲーをリリースするには、中国企業との提携が必須なのではないでしょうか。

また、政府の重要施設に近づかないように確実にする必要があるだろうし、ポケモンを出現させて人を集めることができる仕様も変更を求められるかもしれない。

そんな面倒な許可やらなにやらやっているうちに月日は流れ、似通った中国製サービスにオリジナルがその座を奪われてしまうわけです。そんな理由でポケモンGOが中国で大成する可能性は低そうに思えます。

そこで、早速、パチモンGOがウォーミングアップを始めています。
その名も「城市精灵GO」
中国でポケモンGOは「口袋妖怪GO」ですから、妖怪か精霊かの違いはあるものの似ています。しかも、わざわざGOをつけて、俺がパクるぞ!と 自己主張感満々の名前に仕上がっています。

また内容も、現実の地図情報を基に、現実の場所にモンスターを捕まえに行って、それを育ててバトルするという点で同じようなものです。

このように、中国でポケモンGOが流行るためには、幾重にも乗り越えなければならないハードルがありそうです。

中国のお金は日本の数倍の速度で動いている

爆買い現場にて‥

商品を撮影した写真を微信で中国側に送り確認し、相手がOKなら微信でお金を貰う。最後に商品を貰ったお金を使い微信で購入して終わり。

この取引の流れを見ていると、支払いサイトとかキャッシュフローとか現代経営学必須の事柄をすっ飛ばして、ものすごいスピードで人から人へお金が移動していることに気付く。

会社の経営では、モノを売ってからお金を回収するまでのタイムラグが死活問題になっていて、多くの会社は他人に支払うべきお金であっても、なるべく手元に留めておこうとする(キャッシュフロー経営)ので、お金の動きは限りなく遅くなってゆく。

日本の場合、看板方式とかモノの流れの最適化を図る方法はものすごく発展したのだけど、お金の流れはかなり微妙だ。大手企業が下請けに支払う場合に支払いサイトが120日必要になるとか、この時代にそんな具合だから、ECプラットホームもそれでいいと考えてしまっているのかもしれない。

だから、商品を売り上げても、ECプラットホームの運営会社からお金を貰うまで、一ヶ月とかそれなりの時間が必要になる。スピードが速いはずのEC会社がキャッシュフロー経営をやっているためだ。どうも、周囲のトロい奴に合わせてしまっている。護送船団方式?

即座に決済を行えるはずのECプラットホームが過去の遺物をそのまま踏襲しているというのは、怠慢ではないか。

しかし、中国では違う。タオバオであれば売り先が承諾すれば売り上げとほぼ同時に商品ごとに貰える(日本の場合、一月に一度まとめてとかいうのが多い)し、微信であれば相手が微信で支払った途端に貰える。ECプラットホームがお金の流れを妨げない。

中国の企業はなかなかお金を払ってくれないという話を、昔はよく聞いたし、今でもそれは普通にあると思う。これは日本のキャッシュフロー経営より悪質かもしれない。

ただ、中国のネット企業は、周囲がどうあれ、システムパワーで可能になったことを過去に囚われず行うことによって、大きな発展を手に入れている。

ニセモノ問題やマナーが悪いという面は確かに存在していて、それらは常に報道されていてみんな知っているけど、中国では金融版カンバン方式ともいえる高速で資金を動かすプラットホームがこの数年で完成しつつあるという面も知っておく必要があるだろう。

中国を脅威とする人もチャンスとする人も、どちらの立場でも様々な面からの情報が必要で、似たような情報だけでは何の役にも立たない。

自動運転AIは必ず中国で花開く。その後、自動車産業の中心は中国に

自動車産業はとてつもなく裾野の広い産業だ。アベノミクスが頑張って円安を目指すのも、国の中核をしめるこの産業を後押しするという意図があるのだろう。
しかし、虎の子の自動車産業に危機が迫っているとしたら…。

日本の番組「今こそ!見たか日本の底力SP」というTBSの番組(4月27日放送)で、電動アシスト自転車をペルーに持ってゆく話をやっていた。ペルーのおばあさんがこれをもらって喜んでいるところを放送していて「日本の技術はすごい」的なナレーション。
いや、それすごいのか? と。中国の電動自転車は全く漕がなくていい。こちらの方が便利じゃないかと。
日本は道交法の関係で自走タイプは免許が必要になるので、電動”アシスト”自転車なるものを日本基準に合わせてメーカーが作ったのだろう。そういえば、日本ではセグウェイとかも公道を走れない。

日本はキッチリしているからなのか、国民性なのか、問題があった場合の許容値が非常に低い国だ。だから、セグウェイでも電動自転車でも、そう簡単に受け入れることができない。これは恐らく自動運転でも同じだろう。石橋を叩いて叩いて、叩きまくって初めて受け入れる事になるのに違いない。

中国の道を眺めていると、エンジンバイク、電動自転車、3輪電動自転車、電動スケボー、自動車などが入り乱れ、ナンバーの無い自動車やバイクも数多い。更にはバイクは完全に信号無視で突っ走る。つまり無茶苦茶だし適当だし事故も多い。これが上海の状況だから田舎の方は推して知るべしで、農民が作った外側だけスーパーカーとかが走っている。こうした状態が放置されているのは、問題への許容度が非常に高いからだろう。

いま、中国のIT企業が続々と自動運転車の研究を始めている。これは制御「ソフト」だから一瞬でコピーできる。コピーは得意技だからすぐに一定の水準まで追いつくだろう。
そして重要なのは、機械学習だから色々な事例を学習させたほうが優秀な自動運転ソフトになるということ。Googleが容量無制限の写真保存サービス「フォト」を提供しているのも、機械学習のためのデータを集める為だ。だから、中国の交通がカオス的であるのは非常に都合がいいし、柔軟な法律運用(人治主義とも言う)、新しいものが入ってきてもすんなり受け入れるのも自動運転の開発には好都合だ。

そうして、中国の大手IT企業で醸成された技術が徐々に野に下り、全く新しい企業が次々と誕生することになるのではないだろうか。自分の車を自動運転カーにする安価なキット(AndroidタブレットPC、GPUボード、センサー、アクチュエーター等からなる)が数年後タオバオに出回り、近所の自動車整備工場で適当に装着され、電動バイクの時のように、なし崩しで走り出すのに違いない。これはベータテストと商用利用を同時に公道でやるようなものだが、中国の交通状況からしてアリだろう。この適当さが中国の強みだ。

多少の事故より(中国の場合人よりAIのほうが事故が減りそうだけど)、運転の最適化による大気汚染解消のほうが急務だから、ウーバー(一応違法だけどほとんど放置)のように当局も目をつぶるに違いない。こうして機械学習は鍛えられ、最強の自動運転ソフトとなる。日本がもたついている間に自動車の頭脳を中国は手に入れ、いずれ手足に過ぎない自動車本体を支配することになる。

自動運転ソフトは更に進化を続け、ウーバーのような配車ソフトと連携してお金儲けモードが実装され、自分が乗らないときは勝手にほかの人を乗せて儲けることができるようになる。つまり、カーシェアリングが一般化し自動車の生産台数は大幅に減るのに違いない。近い将来、駐車している車は無駄とか、利回りが何パーセントかと言うかたちに車の所有者の意識が変わるだろう。

自動車つくってりゃいい。安売りするために円安にすりゃいいという安易さ。半導体立国と誇っていたら、いつの間にか周りの状況が全く変わっていたということが再び繰り返される可能性が十分あるのではないか。

今の電機メーカーのように自動車メーカーも凋落し、下請け産業からドライバーまで、ますます仕事がなくなりそう。正確にはある程度のスキルで可能な仕事がなくなるのだが、皆がAI屋に成るわけにもいかず、はっきり言って、ついて行けない。

10年以内に、国の屋台骨となっている既存の車産業が大打撃を受けるのは確実だから、仕事と消費を分離して消費者を創造しないといけない。

中国。大量の失業者を吸収しはじめたIT×人海の新産業

中心部から少し離れた郊外、上海南駅から数キロのところにある田林路では、数多くの飲食店が肉まんや麺類、小籠包など様々な料理を提供している。

小さな店ばかりなので、殆どの客が料理を持ち帰る。食べ歩き番組なら小さな店なのに美味いとか紹介が入るところだけど、このあたりは値段も味も普通だ。どう見ても平凡な飲食店街にすぎないのだけど、その周辺に群れる赤と黄色の大軍団だけは異様な雰囲気を醸し出している。

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小さな飲食店の周りに赤と黄色の軍団が電動バイクで集まっていた。何十人単位で居るだろう。その多くが若者で携帯をいじったり談笑をしたりしている。ナンバーの無いバイクばかりだけど盗んだバイクで走りだしたり青春を謳歌しているようには全く見えない。

暴走族をやって青春を謳歌しているような若者も上海には居るが、それは金持ちのお坊ちゃん連中で、飲食店前に集結するこの軍団とは全く住む世界が違うといえるだろう。

このレストラン前に居る軍団が何かといえば「百度外卖」、「美团外卖」の出前スタッフだ。仕組的には「UBERウーバー」の出前版といえばわかりやすいかもしれない。米国には「Grubhub」というものがあるのでその中国版ともいえる。

現在、中国の主要なネット企業の百度と美団がこの「IT出前」業界で覇権を競っていて、それぞれのコーポレートカラーが赤と黄色なので軍団のカラーリングも必然的にそうなっている。

サービス内容は、アプリで客から出前の注文が入ると、飲食店で頼まれた料理を買って客に届けるというものだ。出前の発達した中国では、こういう業態は昔から存在しているが、それを、ウーバーよろしくスマホのアプリでコントロールするようになったところが新しい。決済からなにから、すべてアプリ一つでOKだ。

注文用アプリを開くとレストランの一覧と配達時間が表示され、店を選択すると注文できる料理の一覧と値段がでるから必要なものを選べば注文完了となる。決済もアリペイとか微信で一発だから出前スタッフとの金銭のやり取りはない(百度の場合は百度の支払いアプリを使えば値引きがあるが、信頼性が低いので使う人は少ない)。百度と美団の企業間の競争が激しいので今のところ価格も安いし、GPSでスタッフ位置を管理しているので出前も速くて確かに使う側にとっては便利だ。

そんな便利さよりも、こんなに多くの若者が出前スタッフやっていることの方が驚いた。ヒマそうだしスタッフごとの付加価値や生産性はかなり低そうだ。給料も推して知るべしだけど、彼らに別の仕事があるかといえば難しいのかもしれない。

炭鉱や工場などで失業した地方の若者に、IT産業が新しい仕事を提供している状況なので基本的には良いことなのだろう。個人にとっては労働条件の悪化でも社会にとっては市場価値でその人間を雇って最適化ができたということになると思う。知り合いの中国人が言うには、出前産業は宅配便に続く人海産業になるのではないかということ。

ただ、このようなアプリで仕事をしている限りは豊かにはなれないし消費者になることもできない。IT時代の新たなる農民戸籍のようなものだろうか。

生きてはいけるけど、ただし最低限という状況。中国の場合、やっている人間が結構明るいのが救いかも。

まずはブラック商材から。脱タオバオの流れ

アリババ一強の中国EC業界に、最近ちょっとした変化が。
欲しい商品がタオバオやTmallに無く、商品を掲載すると運営に削除されるのが背景にある。

どんな商品かといえば、ニセモノ、工場流れ品、医薬品などのブラック商材。
削除しても需要は消えないし、売り手からすれば最も利益率の高い商品群だ。

怪しい商材はタオバオの華だったはずが、最近は脱ニセモノの流れで削除される。
運営担当に何か払えば何とかなるのかもしれない。そんなコンサルが杭州には沢山あるという話も。

ニセモノ品摘発が恣意的で、同じ商品でも売れない店が削除され、流行りの店が平然と営業しているとか。
裁量という力(どの店の商品ページを消すかというもの)があれば、怪しくなるのが中国の性ともいえる。

だから、売る側も単純で効率のいい方法に移行しつつある。

それが、タオバオ抜き微信直取引。(微店ではない)

その仕組みは、まずはタオバオの客と微信友達になる。すると客はタイムラインでタオバオ店には置いてない商品にアクセスできるようになる。
支払いは微信支付でOK。微信の性質上ネット上の秘密販売クラブのような趣だ。

ブラック商材はECサイトのキラーコンテンツ。
小さな流れだが巨人タオバオに何か影響を与えるかもしれない。

15年9月開店 Tmallのマツモトキヨシのその後

中国でもマツモトキヨシの知名度は高い。黄色と黒の看板が目につき、他のドラッグストアより覚えやすいと知り合いの中国人。

日本の爆買い報道でもわかるように中国人にロックオンされた代表的な爆買対象の企業ということになる。これなら、中国のECプラットホームに出店すれば大成功するのではないか? そんな、爆買い熱を受けマツキヨは15年9月に中国Tmallグローバルに出店した。

で、その後どうなった?

Tmallではどの商品が何個売れたか第三者からでも分かるので、スタートした去年9月から1月分を集計してみた。 上位20件はこんな感じ。

マツモトキヨシ

9月から1月半ばまでの総売り上げがTmallの数字だと2千万元、現状のレートが17.3だから、3億4千万円程度。

商品名のところにある「日本直邮」は日本から中国へ国際郵便EMSで送る。「保税仓发货」は中国国内の保税倉庫から送る方法。

通常の輸出なら課税されるが、EMSは素通りなら税額はゼロ、保税倉庫発なら関税のみ50元以下は無税なので、こちらも高額な商品でなければゼロの場合が多い。

このように安く売る努力をしているのが分かる。実際、商品の価格をみると一月に最も売れた「保税直达豆腐の盛田屋日本豆乳面膜 水洗补水保湿美白去黄气150g」(豆腐の盛田屋ヨーグルトパック 150g)という商品なら、現在95元(一月は90元)=1643円(送料税込)。日本のアマゾンだと1600円(送料税込)で販売されているから中国でも日本でもほぼ同じ価格だ。

でも、新事業、しかも中国相手というリスクを取って日本と同じ値段にしかならないのだから結構大変そう。

中国での通販なら、その返品率が日本とは比較にならないほど大きい。中国進出不要のはずのTmall国際でも中国国内に返品用倉庫の設置を求めている。また、日本のアマゾンと違って、必ずスカイプみたいなチャットで問合せが来るので対応人員のコストもかかる。

このあたり、越境ECでやろうとする会社は現地に法人がないので必ず丸投げせざる得ない。サイト制作、受答え、保税倉庫、返品倉庫(物品を置いておけば保管料を取られる)をパッケージ化して請け負う会社がある。それとTmallの補償金や年会費、システム利用料が入る。そして、忘れてはいけないのがEMSやコンテナ輸送などの物流費で結構コストがかさむ。

マツキヨみたいな店の場合、日本での爆買いの場合は利益率の高いOTC医薬品を神薬12みたいに大量に買ってくれるから、利益率の低い商品があってもいろいろ調整できるけどTmallでは規制があるので薬は販売できない。

日本と同価格じゃなくて値上げできればいいが競争相手が沢山いるから難しい。

つまり、中国の越境ECスキームの場合、確実に儲かるのはオペレーションを行う中国側企業ということになる。マツキヨさんは儲かっているのか?

爆買いの延長ではない越境ECを模索する必要がある。ドラッグストアに爆買い中国人がいるからと言って、単純に越境ECに突っ走るのはどうなんでしょうか。

中国元も下落傾向だし、薄皮一枚の利益が為替変動で消し飛ぶ可能性もあるから、ブームに乗るのではなく冷静に。爆買が話題になって、たったの2年。一呼吸置いてから越境に打って出るか考えた方が得策。

そもそも、アウトバウンドでの中国人相手の商売は難しい。越境にかける資源をインバウンドに向けたほうが得な場合もある。ホームの方がやり易いですから。

もちろん。バンバン儲かっているところは別です。