中国ネット企業 その恐るべき戦いと、その果てにあるもの

中国のネット企業。米国市場などに上場していて時価総額はものすごいし、創業者は大富豪だ。

あなたもやりませんか? 中国のネット企業経営。
人口は世界最大だし、日本で創業するよりチャンスがあるかも(棒)。
ネット爆買い「1111」の話題、NHKでもやっていたじゃないですか。あれ凄そうに見えませんか?

いかなる経営戦略なら、中国でネット企業を成功させることができるのか? それには、先ず、あらゆる意味で日本的な感覚を捨て去る覚悟が必要です。
そして、「勝つためには手段は問わず。やったもの勝ち」という、野望へ向かうための強靭な精神を養う必要があります。

取り合えず、この精神を学ぶための、コンプライアンス・マネージメント・テキスト「野望の王国」を用意してください。
これは中国ビジネス向けのMBA講義で採用してほしい珠玉の教科書ですが、どこにも採用されていないようです。取り合えず10回くらい精読しましょう。
テキスト

「中二病と思うなら思ってください」
「中国のネットは荒野だ! 唯一野望を実行に移す者のみがこの荒野を制することが出来るのだ!!」
「我ら出立の時!」
「経営の本質は攻撃だ、おれたちは自分たちの世界を作るために牙を振るうのだっ!」

テキストを読んだ後は、常にこのテンションを保つように心がけましょう。
このくらい吹っ飛んでないと、中国でネット企業を経営するのは難しいので、無理な人や企業は初めから近づかないのが最適戦略となります。

それでは、中国のサーチエンジン企業を参考に、中国ネット企業の経営戦略を学びます

ケーススタディ:基本戦略編

CASE①
最近、世界第二位の検索エンジン企業が意図的にバックドア機能を搭載したAndroid向け開発環境を提供していたとして大問題となっているのを知っていますか?
しかし、この程度のことは中国でネット立志伝を体現するためには、きわめて当たり前の経営戦略にすぎません。
経営戦略上、個人情報や極秘データがほしい。じゃあバックドアを作ってしまえです。
露呈して問題化しても、「バクでした。バージョンアップして直しました(棒)」でOK。
なお、情報漏洩に対する補償等は一切行わず、中国企業だから仕方がないという感情を利用して逃げ切りを図りましょう。
http://chinese-homepage.com/356

このケースから学ぶ必要があるのは、常に手段を選ばぬ経営を行う必要があるということであり、また一切補償はしないということです。
荒野を征するために、あらゆる状況で徹底的にこの野望の精神を発揮する必要があります。
このように、示唆に富むケースは、以下のように豊富に存在していました。

CASE②
海賊版mp3の検索を充実させて、コンプライアンスに縛られているGoogleやYahooを蹴散らした。
大きくなったら強気で交渉して、文句を言ってくる連中と決着をつけてしまえばいいわけです。
これは、ノーコンプライアンス経営という最先端の差別化戦略を使って、敵に対して絶対的優位に立つことがいかに重要かがわかります。
著作権なんか無視で怒涛のシェアを確立。著作権無視もやったもの勝ちということです。
http://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=596

ここから、こちらが巨大になれば相手が折れる。どんな手段を使っても勝てば官軍なのだ! という野望の精神を忘れてはいけないという教訓が得られます。

CASE③
世界第二位のサーチエンジン会社は、爆買いならぬ爆クローリングでとにかくサイトデータを集める戦略を取りました。
robots.txtってなんですかそれ? 私英語ワカリマセン。とにかくやったもの勝ち!
WEBマスターの不評もなんのその、空気読めない才能を最大限に発揮して大量のデータを集めることに成功。

以下Wikipediaから、当時の様子が見て取れます。
2006年下期頃から、Baiduのクローラ「Baiduspider」による日本のサイトへの過度なクローリング行為が目立つようになり、大手電子掲示板を始めとしたサイトで利用者がアクセス困難になる事態が発生し、Baiduのクローラからのアクセスをブロックする動きがみられるようになった。
これについて、Baiduは2007年3月、日本の各ウェブサイトにたいしてBaiduspiderが過剰な負荷をかけたことを謝罪するとともに、クローリングの頻度管理を統一するなどの対処策を発表した[4]。また同年5月には負荷の少ない新型クローラである「BaiduChecker」を導入し、ウェブサイトに与える負荷を平均数百バイト程度に抑えられるようになったと表明している[5]。2009年7月現在BaiduImagespider、BaiduMobaider、が別途クロールしており、特にBaiduMobaiderはRobots.txtを無視してクロールしている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E5%BA%A6

このケースから学ぶべきは、他人の迷惑より自分の利益を最大化する戦略が必要ということでしょう。

CASE④
文庫だのいろいろと周辺のサービスを作成して業容を拡充。それら周辺サイトにもいかんなく野望の精神は発揮された。
日本企業の機密書類から村上春樹の小説まで、色々と読むことができるサービスとして話題となったこのサービスは、まんまと利用者を獲得することに成功したのである。
http://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=993

このあたりの戦略は、初期YOUTUBEの戦略を極端に強化したものと取ることができます。

CASE⑤
ビジネスはさらに拡大。WEB上にない情報も集めろ! ということで、日本にも進出し日本語IMEを開発、入力文字を自分のサーバにガンガン送信。
IMEではなく、キーロガーですかソレという勢いで経営戦略を進める。
しかし、そのことを指摘されると「Simejiはバグでログを誤送信した」といつもの弁明。
相変わらず見事でステキな危機管理です。これまでのケースをしっかりと学んでいれば、自然とこの言葉が出てくるはずです。
http://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=1031

まとめ

「野望の達成のために、一切手段は選ばない! そうでなければ中国ネットという荒野を征することはできない」
中国のネットビジネスにおいて、その精神が非常に重要だということが、以上の5つのケースからお分かりいただけたと思います。

ケーススタディ:ライバル企業対応編

ライバル企業対策は、企業経営では重要な要素だと思います。
ここで重要なのが「たとえ自らが過去に行った顰蹙作戦だとしても、ライバル社が自社に仕掛けて来たら徹底的に叩く」ということです。
そして、その時微塵も自分の過去の営みを恥じてはいけないというのも重要です。

ケース研究
奇虎360といった中国ネット企業がサーチエンジン事業を開始するにあたり、今度は世界第二位のサーチエンジン会社に対して爆クローリングで殴り込みをかけた。
どの口でいうのか不明だが、今度はrobots.txt守れよ! と言い始める。
http://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=858
同じ戦略を取るという点で、中国ネット企業の野望の精神は後続企業にも完全に受け継がれているわけだが、自分の過去を全く顧みないのも経営戦略上重要な点である。

その他、中国ネット企業の戦略
中国ネット企業の経営で、他に参考になるケースいろいろ。
http://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=821
http://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=342
http://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=169

あとがき

それにしても……なんて自由で生々しく、好き勝手にやらかしているんだろう!
リアル野望の王国みたいな世界が存在している。
規制だらけの中国ネットだと人はいうけれど、そんなことは全くない。
ある意味、野望を持つ者にとっては理想の大フロンティアではないのか?

特大の野望をお持ちの方はぜひ修羅の国に行って、この果てしない自由を体験してください。
大体は返り討ちにあって、肥やしとなって終了するのですが。
特に、外国人にとってはこのゲームはとても不利だということも付け加えておきます。

そして、最大の疑問。
規制だらけの中国で、なぜ、このような特大の自由が「不自然なかたち」で存在するのか? というもの。

それは、ネットが荒野になっているほうが、来るべき米中対立のステージでは都合が良いということ、ではないか?
米国がネットを主導する国だということを考えれば明らかだろう。
サイバー空間は米国が作ったものだから、彼らが優位にあるのは当然なのだが、この部分でも現状変更を積極的に追及しているわけである。
仕組まれた自由の中で企業家が燃やす野望の炎さえ、より大きな野望のための糧にすぎない…のかもしれない。

あぶないAndroid。中国の大手検索エンジン会社「百度」が提供する「Moplus」にはデフォでバックドア作成機能が存在

中国の大手検索エンジン会社「百度」が提供する「Moplus SDK」という開発環境には悪意あるコードが存在し、その開発環境を使って作られたアンドロイドのソフトは全部汚染されているという。
この悪意あるコードの機能は「バックドア」と呼ばれる他人の端末を持ち主に無断で遠隔操作するタイプのものです。あなたがスマホで撮影した写真やスマホに入力した文字列などを、遠隔操作であなたに全く無断でGetできるわけです。

さて、この悪意あるコードは一体どこから来たのだろう? どうやら、ミスとかそういったものじゃなくて、明らかに計画的に付与されたコードのようです。
百度IMEという前科があるので組織的犯行の可能性も考えられますし、開発者レベルで挿入された可能性もあるでしょう。

百度は、このSDKをバージョンアップして悪意あるコードを消したから問題ないと開き直るのではなく、何故、こんなコードが挿入されているのか、しっかりとしたエビデンスに基づいた説明をするべきだと思います。
そうでなければ、組織ぐるみと見られても仕方がないでしょう。フォルクスワーゲンと同じです。

そして、今までに漏洩したデータがどうなったのか、百度が責任をもって徹底的に調査をするべきなのではとも思うわけです。当然賠償もするべきでしょう。ナスダックに上場しているわけだし、徹底的に真相を調査するためにアメリカで大きな訴訟になってほしいところです。

それにしても、これほど大きな中国ネット企業が堂々と開発環境にバックドアを仕組んでいた可能性があるわけで、他の中国アプリも推して知るべしと言ったところでしょう。

アプリにバックドアがあるという話は、中国では何度もなされておりました。3Q対戦と言われる中国大手企業同士の戦いもそういった話だったと思います。

しかし、今回は開発環境であり、それを用いて開発したアプリがすべて汚染されるというもので、中国企業はここまでやるかというのが正直な感想です。

最近は日本語が表示可能な中華性アプリも増えているので、どれが中華製なのか、一般の人にはわかりにくい状況にあると思います。
不必要なアプリは入れないとか、消すといった程度の対策では、これらの脅威を回避することはほぼ不可能でしょう。

現在の中国企業はお金もあるから、ブースト等、様々なプロモーション手法を行って、人気アプリランクの上位に表示させることも可能で、上位にあるよく見るアプリが中国製というのも極めて普通の状況にあるわけです。

Googleは、百度が正確な調査報告を提出するまで、百度を含む中国企業のアプリをGooglePlayから全部追放するべきなのだと思います。
少なくても、このような問題が起こった場合、GooglePlayが使われている中国外への問題の拡散を、完全ではないにせよ、かなり食い止められるでしょうから。
※中国では、規制もありGooglePlayがあまり利用されていない。

今回の問題は、たしかに百度の問題ではありますが、同時にAndroid主導するGoogleの問題でもあるわけです。
バージョンアップして問題部分を消したから問題解決ではなく、Androidが安全なスマホなのか否かが、今問われている状況にあることをGoogleは認識するべきなのではないでしょうか。

アプリマーケティング的なランキング操作の問題より、バックドア機能のほうが遥かに悪質だと思うのですが、何故まだ百度のアプリ(百度地図など)すら、全く削除されずにGooglePlayに存在するのでしょうか? 11月10日現在。上の図の通り。

日本政府も中華アプリの日本での公開中止をGoogleに要請するべきでしょう。
こんなものを放置していたら、マイナンバーなんかもバリバリ漏洩しちゃいます。

ちなみに、マイナンバー通知表の写真を携帯で撮ったり、携帯に入力しないほうがいいでしょう。
携帯をPCへつなぐ(USB接続)のもヤバいかもです。
なんかめんどくさいですね。

以前から中華アプリを無暗に入れない方がいいと言っておりますが、最近は見分けるのが難しいので、今回は元(GooglePlay)から絶たなきゃダメという話でした。

http://blog.trendmicro.co.jp/archives/12540