中国ねこ事情。上海で猫を飼う①

14年の夏。上海。気温が上がらずひんやりとした夏で、例年のような蒸し暑さはまったくなかった。
マンションの庭に白黒の子猫が居た。誰かが餌をやっているのかプラスチックの皿がある。冷夏の雨で水が溜まりキャットフードがふやけている。

子猫を人が通るたびにその横を歩いてニャーと鳴いている。生後一ヶ月くらい。捨て猫だ。
中国でも捨て猫が多い。餌をあげる人もいるから、そのまま大人になってマンションの庭を縄張りにした野良猫も数匹見つけた。

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上海は餌がもらえたとしても猫にとって住みやすい土地とは言えない。
マンションの庭は増加する車の駐車場と化していて、人間を押しのけて車が走っている。
まして猫など完全無視で、マンション内の道でひかれてしまった猫のしかばねを見ることもあった。

餌をあげたりする人も居る。でも、拾って飼うとなると話は別だ。
それでも、イヌを飼っている人がいたりするので、誰か拾う人が居るかもしれないと思ったが、いつまでたってもその白黒は居た。

歩いていると、その子猫はいつも寄ってきた。
私は、この国の人間じゃないし、飼えないと思って通り過ぎようとした。
そんな通り過ぎを何度かやっているうちに、別の猫が車に引かれたらしく道に横たわっていた。
マンションの住人らしき若い夫婦がその猫を横の芝生に移していたが、もはや虫の息で間もなく息絶えた。

知り合いが田舎に連れて行ってもよいというので、遂に白黒猫を部屋に持って帰る。
汚いのでフロで洗ってノミを取る。

猫を飼うときに役に立つのがネットショップだ。
タオバオには猫餌でも猫トイレでも、必要なものはなんでも揃っている。
海外製の餌や日本向けに輸出されているトイレの砂なんかもあったので買いそろえた。

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続く。

内陸へ1200Km 中国の村の人々が信じていること

春節を迎えた中国の寒村。人影のない小道と経年で変色したコンクリート製の家がうらぶれて寂しい。それでも村は一年でいちばん人口が多い。

民工として外で働いた人々が帰省し、寒いから家にこもって麻雀の最中。白酒飲んでワイワイやっている。IMG_6883

村には不似合いな全自動麻雀卓。ある家が導入したら、面子でほかの家も次々に導入され、あっという間に村スタンダードになったという。

面子とまだまだ稼げるという自信からか、豊かではないはずなのに数千元単位(数万円)の金が飛び交っている。人生設計はいっさい要らない、今やりたいからやる。それだけだと金を賭け続ける。

一晩で数十万円負ける人も出てきた。いいんだ又、勝つときもあるという。

年金も健康保険も生活保護も存在しないこの世界で、明日は今日より良いという実感と面子だけを頼りに猛烈に消費する。死ぬときは死ぬから未来を考えても仕方がないという潔さと諦めが数千年続いているのだろう。

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村に最近できた高速道路。春節前はちょっと混んでいた。出稼ぎ先の広東から長距離を走って帰省する人が増えている。車を手に入れることは、故郷へ錦を飾ること。

ある民工の人がアウディを買って村に帰省した。20万元以上したという。未来の保証が何もない中で何故買えるのかと考えてしまう。それは未来は悪そうと延々と考え続けている国の考え方なのかもしれない。

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年金、健康保険、生活保護が存在しないのは元からだし、高級車が買えるようになったのだから、以前より確実に豊かになってきている。

素朴に疑うことなく今後はもっと豊かになると信じている。

今後は中国の村にも「今思考」ではく「年金、健康保険、生活保護」的な「未来思考」が広がるのだろうか? だとしたら中国が大きく減速するのは目先の株とか不動産じゃなくて、その時だ。

まずはブラック商材から。脱タオバオの流れ

アリババ一強の中国EC業界に、最近ちょっとした変化が。
欲しい商品がタオバオやTmallに無く、商品を掲載すると運営に削除されるのが背景にある。

どんな商品かといえば、ニセモノ、工場流れ品、医薬品などのブラック商材。
削除しても需要は消えないし、売り手からすれば最も利益率の高い商品群だ。

怪しい商材はタオバオの華だったはずが、最近は脱ニセモノの流れで削除される。
運営担当に何か払えば何とかなるのかもしれない。そんなコンサルが杭州には沢山あるという話も。

ニセモノ品摘発が恣意的で、同じ商品でも売れない店が削除され、流行りの店が平然と営業しているとか。
裁量という力(どの店の商品ページを消すかというもの)があれば、怪しくなるのが中国の性ともいえる。

だから、売る側も単純で効率のいい方法に移行しつつある。

それが、タオバオ抜き微信直取引。(微店ではない)

その仕組みは、まずはタオバオの客と微信友達になる。すると客はタイムラインでタオバオ店には置いてない商品にアクセスできるようになる。
支払いは微信支付でOK。微信の性質上ネット上の秘密販売クラブのような趣だ。

ブラック商材はECサイトのキラーコンテンツ。
小さな流れだが巨人タオバオに何か影響を与えるかもしれない。

15年9月開店 Tmallのマツモトキヨシのその後

中国でもマツモトキヨシの知名度は高い。黄色と黒の看板が目につき、他のドラッグストアより覚えやすいと知り合いの中国人。

日本の爆買い報道でもわかるように中国人にロックオンされた代表的な爆買対象の企業ということになる。これなら、中国のECプラットホームに出店すれば大成功するのではないか? そんな、爆買い熱を受けマツキヨは15年9月に中国Tmallグローバルに出店した。

で、その後どうなった?

Tmallではどの商品が何個売れたか第三者からでも分かるので、スタートした去年9月から1月分を集計してみた。 上位20件はこんな感じ。

マツモトキヨシ

9月から1月半ばまでの総売り上げがTmallの数字だと2千万元、現状のレートが17.3だから、3億4千万円程度。

商品名のところにある「日本直邮」は日本から中国へ国際郵便EMSで送る。「保税仓发货」は中国国内の保税倉庫から送る方法。

通常の輸出なら課税されるが、EMSは素通りなら税額はゼロ、保税倉庫発なら関税のみ50元以下は無税なので、こちらも高額な商品でなければゼロの場合が多い。

このように安く売る努力をしているのが分かる。実際、商品の価格をみると一月に最も売れた「保税直达豆腐の盛田屋日本豆乳面膜 水洗补水保湿美白去黄气150g」(豆腐の盛田屋ヨーグルトパック 150g)という商品なら、現在95元(一月は90元)=1643円(送料税込)。日本のアマゾンだと1600円(送料税込)で販売されているから中国でも日本でもほぼ同じ価格だ。

でも、新事業、しかも中国相手というリスクを取って日本と同じ値段にしかならないのだから結構大変そう。

中国での通販なら、その返品率が日本とは比較にならないほど大きい。中国進出不要のはずのTmall国際でも中国国内に返品用倉庫の設置を求めている。また、日本のアマゾンと違って、必ずスカイプみたいなチャットで問合せが来るので対応人員のコストもかかる。

このあたり、越境ECでやろうとする会社は現地に法人がないので必ず丸投げせざる得ない。サイト制作、受答え、保税倉庫、返品倉庫(物品を置いておけば保管料を取られる)をパッケージ化して請け負う会社がある。それとTmallの補償金や年会費、システム利用料が入る。そして、忘れてはいけないのがEMSやコンテナ輸送などの物流費で結構コストがかさむ。

マツキヨみたいな店の場合、日本での爆買いの場合は利益率の高いOTC医薬品を神薬12みたいに大量に買ってくれるから、利益率の低い商品があってもいろいろ調整できるけどTmallでは規制があるので薬は販売できない。

日本と同価格じゃなくて値上げできればいいが競争相手が沢山いるから難しい。

つまり、中国の越境ECスキームの場合、確実に儲かるのはオペレーションを行う中国側企業ということになる。マツキヨさんは儲かっているのか?

爆買いの延長ではない越境ECを模索する必要がある。ドラッグストアに爆買い中国人がいるからと言って、単純に越境ECに突っ走るのはどうなんでしょうか。

中国元も下落傾向だし、薄皮一枚の利益が為替変動で消し飛ぶ可能性もあるから、ブームに乗るのではなく冷静に。爆買が話題になって、たったの2年。一呼吸置いてから越境に打って出るか考えた方が得策。

そもそも、アウトバウンドでの中国人相手の商売は難しい。越境にかける資源をインバウンドに向けたほうが得な場合もある。ホームの方がやり易いですから。

もちろん。バンバン儲かっているところは別です。

マイナンバーのチェックデジット計算プログラム

日本のマイナンバーは、中国の公民番号と違って、出生地や誕生日、性別などに全く紐づいていないようだ。番号からは何もわからないが、人のチェックがやりにくいので運用上の間違えも多そう。
ただし、チェックデジット(下一桁の部分)はある。
たとえば、11111111111なら最後が8になり、111111111118がマイナンバー。

チェックデジットについて総務省が決めた定義
11-(\sum_{n=1}^{11}Pn\times Qnを11で除した余り)。
ただし\sum_{n=1}^{11}Pn\times Qnを11で除した余り≦1の場合は0とする。

PnとQnについて
Pn:個人番号を構成する検査用数字以外の十一桁の番号の最下位の桁を1桁目としたときのn桁目の数字。
Qn:1≦n≦6のときn+1  7≦n≦11のときn-5。

となっているので、Delphiで適当に書いてみるとこんな感じか。エラー処理とかしてない。

function MyNumberCheck(MyNumber: string): boolean;
var
  S, S2: string;
  T, N, I: integer;

begin
  Result := false;

  S := ReverseString(MyNumber);
  if Length(S) <> 12 then
    Exit;
  S2 := Copy(S, 1, 1);
  S := Copy(S, 2, 11);
  T := 0;
  for I := 1 to 11 do
  begin
    N := Strtoint(S[i]);
    if I < 7 then
      T := T + N * (I + 1)
    else
      T := T + N * (I - 5);
  end;

  T := T mod 11;
  case T of
    0 .. 1:
      T := 0;
  else
    T := 11 - T;
  end;

  if Inttostr(T) = s2 then
    Result := true
  else
    Result := false;
end;

中国が管理。Bitcoinは隠された預金封鎖用の銀行

管理者不在で政府の影響を受けないと言われているビットコインが、中国が持つブラックホールのような引力に取り込まれた。もはや振り切れるものでなく、ゴキブリホイホイとしての利用法を待つだけか。

プルーフオブワーク(Proof of work以下POW)という考え方が、国家や銀行に依存せず中央システムを持たないビットコインの仕組みを支えていたはずが、中国の影響力は一体どこから出てくるのだろう。

POWが何かザックリと説明すると、売れ切れ必至のドラクエとクソゲーのスペランカーが抱き合わせ販売されているみたいなもの。まず、転売屋の観点から考えてみると、抱き合わせセットの単価が高いので資金力がないと大量に仕入れることができなくなる上に、そもそも仕入れ価格が高いので売り切るのが難しくなり、転売商品としての魅力が無くなってしまうわけだ。どうしてもドラクエがほしい最終ユーザーは、スペランカーに舌打ちしつつ購入する可能性は十分あるとおもう。こうして、転売屋は買わず、最終ユーザーは無事ドラクエを買う事ができました。めでたしめでたし。

つまり、POWとは、コストを払える人に物事をやらせるという考え方で、その価値に対して取得コストが安いモノ(例えばドラクエ)と追加コスト(抱き合わせのスペランカー)を組み合わせて本来の価値に合わせるという考え方だと思う。

POWの応用法として、例えば迷惑メール対策がある。
メールの送信コストは安すぎるので、送信するのに一通100円徴収するようにしたらどうだろう。恐らく、迷惑メール業者は何億通も送信するのをやめるのに違いない。なにせ1億通送ったら100億円必要になるから、とてもペイするものじゃない。

現実に課金するのは難しいが、例えばPCが3分ほど計算しないとメールを送れなくするというやり方なら、金銭が絡まないから口座もいらないし可能だろう。一通3分かかるとしたら、知り合いなど正規のメールではまあ許容範囲かもしれないけど、何億通も迷惑メールを送る業者からしたら時間ばかりかかり電気代もかさむから悪夢だ。つまり、POWによって正規のメールであることを証明できるわけだ。

実際に、このような実装があるのだが、残念ながらメール世界では普及しているとは言えない状況にある。もし、メールPOWが普及していたとしたら、一部の技術力のある会社は計算を速くする専用チップを作成し、そこそこネットができて電気代が安い国に移動したのに違いないが、多くの業者はPOWのコストが迷惑メールのメリットを超えて廃業となったのではないだろうか。

銀行振込のような取引を証明するためにPOWを使うことを考えた場合、何億通も送る迷惑メール業者とちがって、取引を改ざんする側はたった一度書き換えればいいので、POWの有効性は低いように感じられる。しかし、あえて正規の取引をする場合でも大量のPOWを行っておけば、改変側でも大量のPOWが必要となる。更に正規側のPOWが取引の度に積み重なってゆく仕組みを採用すれば、改変するのは極めて難しくなる。

積み重ねの仕組み(ブロックチェーン)とは何か? これは前のPOWの結果を元に、さらなるPOWをおこなうという入れ子構造のことだ。入れ子構造といえば有名なロシアのマトリョーシカという人形がある。マトリョーシカたとえば、この人形の中に収納されているある人形を偽造して大きくしたら、今までは収納できていた次の大きさ以降の人形に収納することはできなくなる。この時点で、とある段階の人形が偽造であることが判明する。しかし、偽造人形より大きい人形を全部偽造すれば収納できて完全犯罪が可能かもしれない。そこで、POWとして、それぞれの大きさの人形を複雑で作るのが面倒な人形にしておけば入れ子が増えるほど、すべてを作るのは困難を極める=偽造が難しくなってゆく。これが積み重ねるという意味だ。

その作業は実際こんな感じ。
hashという関数に入力文字列を入れると、唯一のハッシュ値が出力される。この出力されたハッシュ値と適当な値を結合したものを、再びhash関数の入力文字列にして入れ子構造にすると、人形の形と同じで、以前の値がその後に影響するようになる。
y = hash(x) → y1 = hash(y+適当な値) → y2 = hash(y1+適当な値)→ y3 = hash(y2+適当な値)…….

そして、面倒な「人形」にするには、次のようにPOWを課せばいい。

前のハッシュ値00000000000008a3a41b85b8b29ad444def299fee21793cd8b9e567eab02cd81と適当な値ノンスを結合して、上1桁がゼロになるまで頑張ります。
ノンス(適当な値)927301354
これらの文字列を結合したもの00000000000008a3a41b85b8b29ad444def299fee21793cd8b9e567eab02cd81+927301354
結合文字列をハッシュ関数に入れてハッシュ値を求めるa2344269e5816a82ce6cc54c87b75f3d85e8f493777ba303f550e12d7478923e
上1桁がaだからゼロ以外でした。このWEBページをリロードするとノンスと結果が変わるので再チャレンジできます。
上1桁だけならまだいいですが、これが上10桁とか20桁とかを0にするになってくると、とても面倒なPOW作業となります。

現実世界でこれをやっているのがビットコインで、迷惑メールの場合とちがって正規側でも大量のPOWが必要になるから、実際にそこそこネットができて電気代が安く技術者が多い中国にビットコインのPOW作業=マイニングが移動したのは必然だったといえるわけである。そして、この作業をするCPUパワーのうち51%が善良なPOWを行っているという状態では不正はできないが、もし51%が悪意を持てば不正が可能となり、ビットコインの信用は揺らぐことになる。POWやその積み重ねがあったとしても頑張ってそれを処理してしまう力技の犯罪者がでてくるとピンチになるわけだ。

この51%問題について、発明者中本の論文には以下のように書かれている。

本システムは、良心的なノードが集合的に、攻撃者グループのノードを上回るCPUパワーをコントロールしている限り安全である。
もし欲深い攻撃者が良心的なノードの合計を上回るCPUパワーを作り出すことができたとして、攻撃者はそのパワーを使って、他の良心的なノードから自分の支払った金額を盗んで取り戻すか、新しいコインを作り出すかの選択を迫られることになり、おのずと自分の資産価値とそれを支えるシステムを損なうよりも、ルールに従って行動し、他の全ノードを合わせたよりも多くの新しいコインを作りだすほうが、自分の利益になると考えるだろう。

良心的なPOWが過半数を占めているうちは大丈夫だし、もし攻撃者が過半数を超えたとしても、攻撃者は合理的に考えてビットコインを滅ぼすようなことはしないだろうというわけである。

中本の論文に書いてあることは本当だろうか? 大切なインフラを戦争で破壊することがある人間がそれほど合理的か不明だし、仮に合理的だとしても、現状、ビットコインPOWの51%以上を握っているのは中国であり、ゴールドマンサックスのレポートによれば人民元建ての取引が8割程度を占めるという。このように、ビットコインは中国によって支配されている状況で、中国の合理性はまた別のところにあるかもしれないのに。

POWをやっている中国の個人にはその意思がなくても、中国という国家には「自分の資産価値とそれを支えるシステム=ビットコイン」を損なう方が国益上有用という考え方があっても不思議ではない。

そして、中国では個人の財産より国益のほうが遥かに重要だ。発明者の中本氏は考えなかったかもしれないが、腐敗撲滅キャンペーン、権力闘争、核心的利益と、彼らにとってより重要なものはたくさんある。ビットコインがこれらの逆鱗に触れる時、現状のように中国に集中していると技術的な防御策など跡形もなく吹き飛ばされてしまうだろう。

そもそも、中国では規制されているはずなのに人民元建てが80%で、ネットも余裕で規制できるはずなのにPOWデータセンターは運営を続けている(タオバオではPOW用マイニング装置の販売が禁止されているが、やっている人はやっている)という状況は、不自然なように思える。もはや、ビットコインは管理者不在のP2P暗号通貨などではなく、中国によって生かされている別の何かというのが、その真の姿なのかもしれない。

中国で、わざわざ使い勝手の悪いビットコインを使うとしたら、ワイロなどの灰色収入や犯罪・テロ資金を海外へ送金するとか貯金するとかだろう。一般人はまず利用しない。規制しているようでしていないという不自然な状況も、一般資金を遠ざけ、アングラ資金を呼び寄せるといった点で不自然とはいえない。

国家の管理を受けないP2P暗号通貨といった看板を掲げるビットコインは、こういったものを呼び込むには絶好のトロイの木馬だともいえる。

そのような資金ばかり集まるのであれば、当然国益に反するものだから、最後は破壊するためだけに生かされているだけだと考えられ、P2Pといった管理者不在を逆手にとって預金封鎖を誰にも文句を言われずに速やかに実施することを目的とした装置として見ているのかもしれない。また、中国には独自暗号通貨を作るという話もあるので、生きた実験装置ともみなしているだろう。さらに、何か工作をするには資金が必要だが、必ずネットワークに繋がっているビットコインをクラッキングで調達(マウントゴックスの例もある)することは実体のお金より簡単なので資金調達が容易だ。

つまり、政府にとってビットコインの良いところは、次の4点となる。
1.効率よくアングラマネーを収集できる点。一般の資金と分離できるのがいい。
2.預金封鎖(破たん)しても政府は一切関知しなくていい点。これが普通の銀行なら文句言われまくり。
3.政府が同種の通貨を作るときの雛形として、耐性試験など様々なテストを行える点。もし、実験に失敗して破壊されても文句を言われない。
4.工作資金をクラッキングで用意できる点。

中国の強大な善意のPOW(マイニング)によって獲得したコインや不正アクセスで手に入れたコインを汚職役人や犯罪者・テロリストにたっぷり売りつける。

バブルで価格を吊り上げたり、いろいろとやった後‥‥。

いつの日か、中国のPOWが悪意に反転し、更に他国のマイニングプールに対する一連のサイバー攻撃から始まるビットコイン破壊オペレーションは、サイバー戦部隊の作戦計画の一つとして用意され、最大の効果を上げるべく実行タイミングを慎重に計っているのかもしれない。

市場操作は中国のオハコ。それはビットコインでも例に漏れず‥‥ビットコインはゴキブリホイホイとしての最終的な役目を終え、中国の闇に消えてゆく事になるだろう。

既に、分散型で国家や銀行に介入されない暗号通貨なんてどこにもないのだから。

格差は是正されトリクルダウンは成功しました。その成果は中国で確認できます

最近どこも格差社会らしい。

アメリカは上位20%が富の8割を持っている超格差社会だからトランプさんとかサンダースさんが大人気だし、一億総中流と言われた日本も格差拡大しまくっているらしく、最近はその話題に事欠かない。

世界的に見れば、恐るべき事に上位62人と下位36億人の資産が同額とか。何たる格差社会だろう。ということで、その62人を締め上げて財産を没収! そして、それを下位36億人に配れば彼らの所得は倍になる? 格差が小さくなって、めでたし、めでたし。これで世界は平和に‥‥なるわきゃないよね。

さて、最近、中国のお金持ちの消費行動を直接的に知る機会があった。
彼らは中国の勝ち組。企業をいくつも経営していて、多分、恐ろしい程のカネを持っている。

その彼らが、日本で購入したものは何か? それは、マツモトキヨシで売っている健康食品とか、じゃがポックルとかだった。実に普通のモノを購入しているわけで、金持ちだからといって人間なんだから出来ることには限界があると感じた。余裕で買えるとしても、じゃがポックルを一度に1000箱食べ尽くすことは難しいようだ。

62人が36億人分の食料をすべて食べ尽くすことなど出来はしないし、物理的にそれだけの食糧生産力もないのだから、もし下位36億人の所得が倍になったとしても、下位に置かれた人々が2倍の食べ物にありつくことはできやしないのだ。

所詮、金持ちの資産なんてコンピューター上の数字に過ぎず、実体はないのだから、それを分配することなど、そもそも出来るはずもないと思う。例えば国債。金持ちが持っていれば当面必要ないから換金しないけど、貧乏な人が持ったら速攻換金に走って、その時点で価値がゼロになる。株も同じで、一斉に換金したら暴落だ。最も端的なものは、データだけのビットコイン。あれも皆が換金したら、だたの無価値なデータに逆戻り。

南極の氷が溶けないことを前提として今の世界があり、一旦それが溶け出したら恐ろしい大災厄を世界にもたらすように、金持ちの金融資産もそれが実体経済に大きくリンクをすれば、インフレや環境負荷の増大など、大きな災厄をもたらすことになるはずだ。

カネ持ちのカネは浮世離れしているからこそ価値があり、それによって世界が成立しているわけで、単純にそれを召し上げて配れば問題が解決するというのは物凄い単純な思考だと思う。昔から格差拡大の話から、そんな論調の話がよく出てくるが無意味過ぎる解決法だ。

さらに、カネ格差とモノ(サービス)格差は分けて考えないといけない。カネ格差は「果ての国(バーチャル)」の出来事で、モノ格差は「月並みの国(現実)」の出来事。カネというバーチャル世界では、どんどん格差は開くけど、モノというリアルな世界では、一度にじゃがポックル1000箱食えないように、それほど開かない。

当たり前の話だけど、生産力にも消費力にも限界があるからだ。数字だけを見て判断するからおかしくなる。だからこそ、カネ格差が少なかったはずの昔より、今の新興国の人々は、ずっといい暮らしをしていたりする。

不思議な話だが、カネ格差は広がっているけど、モノ格差は小さくなってきているということ。現実に生きる我々にとって、より重要なのは、モノ格差の是正だと思う。そして、現実世界ではモノ格差是正が起こっているのだから、必ず何かの大きな影響を上位層と下位層の両面に与えることになるはず。

その影響が端的に表れている中国の話をすると、20年前、中国をはじめとした新興国はあまりモノを持っていなかったのだけど、最近は様々なモノで溢れている。

私の場合、中国の都会から農村部まで歩く機会があったので色々と見聞きしたけど、農村でもけっこう車が走っていたり、トラクターがあったり 液晶テレビや冷蔵庫があったりと、日本とのモノ格差が縮小しつつあることがわかる。

中国の人々が持っているモノが何製かといえば、もちろん中国製。これらは中国の農村の人々が都会の工場へ行って生産したものだ。元々は、上位層の先進国へ輸出するために様々なモノを生産し、富を蓄えることによって自分たちが作ったモノを買えるようになったわけだ。

逆に仕事が新興国に流れた先進国側では空洞化が起こり、職が無くなることになる。バーチャルな世界で自分探しをしていた中国が、いつの間にか普通に働くようになり、国際競争力を持ってしまったから、先進国と中国という大きな枠では格差は縮小に向かい、先進国内では格差が拡大するという逆の現象が生じることとなった。

トリクルダウンは確かにあった。ちゃんと結果にコミットしている。ただそれは先進国国内の下位層ではなく、もっと下位に位置する海外の人にその恩恵をもたらしていた。

カネというバーチャル世界の勝ち組である金持ちをやっつけても格差は解消しないし、先進国で格差が広がっているのは大きな格差是正の結果にすぎないという結論になる。先進国は失われたモノを取り戻そうとし、新興国も先進国との差は当然埋められて然るべきだと考える。

その結果、「偉大なアメリカを取り戻す」とか、「日本を取り戻す」とか、「中華民族を復興する」とか、各国政治家の主張が「失われたものを取り戻す系」ばかりになっているのは、この格差是正の流れによるもので、決して偶然ではない。

あるいは、先進国側での「最近格差が広がったから格差是正せよ」というスローガンも、失われたものを取り戻すという意味だから全くの同類思考。失ったものは、取り戻したいというのが人情だとはおもうけど。

そんなことをいくら言ったところで、人権やらなにやらといった概念を否定して、身分制(先進国国民を貴族にする)とか奴隷制にしないかぎり真の格差是正の流れは止められないし止まらない。

先進国だった日本はといえば、どちら側といえばこの格差是正で損をする陣営。そしてその損は「失われたもの」じゃなくて、「今までが貰いすぎだったのが格差是正で正されただけ」と考える必要がある。

カネと同じように「果ての国」属している人権も、先進国ではその富を背景として野放図に拡大してきたけれど、全人類に先進国の基準を当てはめることは難しそうだ。

最近、難民を受け入れに難色を示しだした欧州諸国の例がそれを端的に物語っている。現実は人権のようなバーチャルなものではないから、無限に拡大していくことが不可能だからだ。上位層だった先進国は、真の格差是正によって富を失い、今後この部分に今までにない妥協を突き付けられることになると思う。

トリクルダウンとか格差是正でおこぼれがありそうだなんて考えている先進国の人は、それらの言葉の本当の意味と現象に目を向けて、次の行動に移った方がいい。

唯一、「技術」によって全体の総和が増える可能性は高いから、政治家や知識人のいう「格差是正や取り戻す」に乗せられて騒ぐよりも、普通に働いて、技術で一体何ができるかを真剣に考えることぐらいしか有効な行動はなさそうだ。

それでも、先進国の人なら誰もが新興国の人よりも良い生活ができるかは疑わしい。そんなことは、新興国や後進国の人々もやっているから、彼らとの競争が待っている。