中国インターネット事情

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中国謎のシステム。youtubeが別サイトに。金盾を超える中国独自インターネットへの第一歩か?

中国発の謎の動作が、インターネットシステム基幹を揺さぶっている

金盾(Great Firewall of China グレートファイアーウォール)を持つ中国が、インターネットの基幹システムDNSで謎の動きをしているようだ。

まずはDNSから説明 Wikipedia.orgから。

Domain Name System(ドメイン ネーム システム、DNS)はインターネットを使った階層的な分散型データベースシステムである。1983年に情報科学研究所 (ISI) のポール・モカペトリスとジョン・ポステルにより開発された。

現在ではおもにインターネット上のホスト名や、電子メールに使われるドメイン名とIPアドレスとの対応づけを管理するために使用されている。

難しそうに思えますが、簡単にいうと郵便番号と住所のような関係で、ネットの番号(IPアドレス)に人間にとって覚えやすい「何とか.com」(ドメイン)を関連付けしましょうという技術です。

DNSのおかげで番号を気にすることなく、Yahoo.comとかGoogle.comとかを入力するだけで勝手にネット番号に変換されてサイトに接続されます。

さて、DNSが関連付けのテクノロジーであることがご理解頂けたと思います。

この変換情報は全世界で共有されており、全世界共通のものです。

そうでなければ、ある場所ではyahoo.co.jpは問題なくYahoo JAPANに繋がるのに、別の場所ではyahoo.co.jpと入力するとGoogleに繋がるとか不思議な話になってしまいます。


こんな不思議な事が実際に起こったとしたらどうでしょうか?

さて、このDNSサーバが中国にも当然あって、当然、全世界と同じようなドメインからIPアドレスに変換が保証されているはずです。

http://www.networkworld.com/news/2010/032610-after-dns-problem-chinese-root.html

こちらの報道によると、中国のDNSを使っていたチリのISPから例えば、youtube.comやtwitter.comにアクセスすると、本来の関連付けとは全く別のIPアドレスに飛ばされてしまい、本来のサイトにアクセスできない状態になったとのこと。

まさに、yahoo.co.jpにアクセスをしたら、何故かGoogle.comが表示されたと言った事態が発生している。

 

何故こんなことをするのか

この「yahoo.co.jpにアクセスをしたら、何故かGoogle.com」なような話に都合がいいのが、金盾のようなフィルタリングシステムを使う側です。

フィルタリングなら特定のページアクセスをブロックするだけですが、このやり方ならあるドメインを、全く別のサイトに置き換えることが可能になるわけです。

Youtube.comとアクセスするとYouku.comを表示したり、Google.cnにアクセスするとbaidu.comにするとか、ある意味好き勝手にインターネットをコントロールできます。

こんな事をされてしまうとインターネットの根幹が揺らいでしまいますが、お構いなしで中国は世界標準とは異なる独自DNSサーバを作って、独自インターネットにするつもりなのかもしれません。

ある意味凄い話ですが、今まさに起こっていることなのです。