中国の家の寿命が30年? 価格は高くなったが質は限りなく低下
中国政府・住宅都市農村建設部の仇保興副部長が、3月29-31日に開催された「第6回国際緑色建築と建築省エネ大会」で、中国の建築物は平均で25-30年の寿命しかないと述べたことが分かった。英国の132年、米国の74年など先進国と比べて極めて非効率で、毎年数万トンのごみを生み出すことになっているという。チャイナネットが報じた。
中国のマンションに住んだことがある人ならば、この話には思わず頷いてしまうのではないだろうか? 筆者もいろいろと住んだが、2003年くらいに建てられた30偕位のマンションだというので、まともな建物かと思ったら、壁はボロボロ、カーテンレールはカーテンを引っ張ると落ちてくる、スイッチはショートする、水は漏水するなどなど、建物の質はとても悪い。
つまり、中国のマンションのコンクリで作られた躯体も、内装の部分も、日本のレベルには全く到達していない。姉歯建築士の耐震偽装ヒューザーマンションでも、中国のマンションに比べたらどれだけマシであろうかと思う施工なのだ。
このような質の悪い建物に、投機マネーが流れ込み質の悪い建物がどんどん生み出されている。今は建物が出来る前から売買が繰り返されていて、建物は既に記号としての価値しかなく、まるで実際にそこで誰かが住むということを想定していないかのようだ。実際、中国のマンションはコンクリ打ちっぱなしで取引されて、買主が内装を施すので貸し出されるようなマンションの内装が安っぽいのも仕方がないのだが、家売ってるってレベルを遥かに上回る投機戦争が行われている。
こういった、投機バブルとは無縁の一般庶民は、このような質の悪い建物を高値で買わされる羽目になってしまっている。今回の住宅寿命30年節を聞いた彼らがネットで論争を繰り広げているという。
蝸居(かたつむりの家)という都市住宅問題を扱ったドラマが放送されるくらい上海の家は高額だ。そんな家を買った庶民のローン返済が速いか、家の倒壊が速いかというという状態に陥ってしまっては住宅30年説の論争は止みそうがない。
しかし、世界中からお金を集めて大量のガラクタを作り出しているなんて事にならなきゃいいけど。住みもしない家を大量に建築しているところが、なんとも言えません。