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中国のモーレツ不動産屋が団体様で来襲した

中国で家を借りると、その契約期限の一月前に不意にオーナーから電話をもらうことになる。もちろん、部屋を借り続けるかどうかという質問だ。中国の場合高度成長に伴うインフレなので大体10%増しくらいの価格を提示される事となる。成長から忘れ去れた日本から来た身としては、中国の成長スピードについて行けるわけもなく、あっけなく引っ越しますと答えてしまう。

この時はまだ、この後起こることを知らない。普通に契約日前に引越せばそれでいいだろ位に考えていたのである。これがやつらの来襲の合図だった。自分の部屋が観光地化した瞬間だったのである。

不意に部屋をノックする音が聞こえた。一体なんだろうと扉をあけてみると、3人の男女が立っていて部屋を見せてくれとか言っている。何だ一体、公安のガサ入れかと思ったが、良く聞いてみると、自分は不動産屋で、自分の客に部屋を見せてほしいという。

これを皮切りにして部屋の新たな借主が見つかるまで次々と見学者が訪れ、まるで観光地のようにモーレツ不動産営業マンに引率された様々な人々が、部屋の中を歩き回ることになるのだ。中国人はもちろん、インド人、オーストラリア人など、てんこ盛り状態である。

勿論、ちゃんとした日本人向けの不動産会社で契約をすれば、こんな状態にはならないのだが、サービスがいい分、部屋代も高いので資金を節約したいならこの中国式も仕方が無い。

中国の地元不動産屋で契約を行う場合、大体家賃は3ケ月分をまとめて支払うことになっている。そして忘れてはならないのが保証金で、これは家賃の1ケ月分が必要だ。この補償金は、例えば契約期間前に契約を終了したいなど契約違反になる場合に大家に没収されることになる。契約を全うした場合は、返還される。

つまり、契約時には、4ケ月分の家賃を大家に支払う必要があるので、結構な出費となる。

外国人だからといって保証人などは必要ない。このあたりは日本より進んでいるのかもしれない。とくに日本人は部屋を綺麗に使うとか金払いが良いとかそういった理由で意外と人気があるのだ。日本人大歓迎の大家はかなり多い。

そのほかに必要なものは、不動産屋に支払う仲介手数料で、家賃1ケ月の半額であることが多い。これは大家側も不動産屋に残りの半額を支払うので、不動産屋は家賃の1ケ月分を1回の契約で得ることになる。

例えば:3000元の部屋を借りる場合、大家に12000元(3+1)、不動産屋に1500元(0.5)を支払うことになる。

上海では1000元(14,000JPY)以上になることが多いので、この仲介手数料こそ彼らのモーレツ営業の力の源となっているわけである。何せ、大卒で一カ月2500元とかそんな給与レベルである。

このニンジンにむかって、インターネット不動産サイトに実際の部屋と全く関係ないどこかの豪邸の写真を掲載したり、そもそも存在すらしない部屋を掲載したりして問合せを増やそうとしているわけである。

おかげで、以前書いたとおり中国の不動産サイトは適当な情報しか掲載されていない。

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