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オートマチック元安。円だけ高い。日本だけが割を食っている国際為替相場

ちかごろ、円高ドル安のニュースが増えてきている。
現在のところ1ドル84円程度であるが、あるエコノミストによれば1ドル60円突破も有りうるということである。

さて、ここで世界第二位のGDP大国になった中国の話に戻るのだが、実は中国の通貨(元)は世界第二位の経済規模を誇っているにも関わらず、ほぼ固定相場制である。
事実上ドルにリンクさせているドルペッグを採用(一応、中国はドルペッグをやめたと表明している)しており、ドル安になれば自動的に元安になるわけである。
オリンピックの時は1元が16円以上あったものが、今や12.3円である。わずか2年で25%程度の元安だ。
輸出攻勢を目指すオバマ政権のドル安政策が、日本にとってはドル安と同時に自動的に中国元安まで招くといった事態に至っているのである。まさに日本の産業界にとっては踏んだり蹴ったりの状況である。

ドル安も問題だが元安も問題だ。

この円高で日本ではなく韓国に旅行に出かける中国人旅行客が増えており、当然のことながら中国での日本製品も値上がりすることになって日本製品の売れ行きにも暗雲が漂っている。
欧米がダメなら中国で! という日本の目論見も、このオートマチック元安で見事に崩れ去ろうとしているのだ。

しかも、中国と米国がIT製品では繋がっていて、米国の最先端技術も安ければ中国の生産工場のコストも安いので、優れた米中のIT製品にあっという間に世界規模で広がってしまう。
iPhone等が良い例である。
日本製品が世界を席巻とか半導体立国日本とか、そんな話は昔話になってしまっている。これでは、デフレは避けられそうもない。

こうなったら、金とか石油とかレアメタルとかエネルギーや資源を円安になるまでひたすら国が買いまくって備蓄するポジションを取ったら良いのではないだろうか?
資金は日銀が円をどんどん増刷すればよい。ただの紙が金になるのだから錬金術師も真っ青だ。彼らはつつましくもせいぜい銅や鉄を金に変えようとした程度である。