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中国の動画サイト土豆网(Tudou)の上場計画。上場資金で优酷网に対抗

中国の動画サイト土豆网(Tudou)の上場計画は進んでいる。米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、土豆网は米国市場でIPO(新規株式公開)上場を目指して、その取引で最大1.2憶ドルの資金を募ることを計画していると記述されている。

現在、土豆网はまだIPO株式発行の価格と具体的な日付を明らかにしていない。書類によると、土豆网はIPOで獲得した資金をもとにインターネットの帯域幅の拡大と技術のアップグレードに使う予定である。そして国内の主要ライバル优酷网(Youku)と競争する。

IPOで取引の完成後、土豆网のADR(米国預託証書)はナスダックで取引が行われる予定で、その株のコードは「TUDO」だと書類が示した。
2010年現在までのところ、米国でIPOした後最も順調な10軒の会社の中、5軒は中国の会社である。なかでも上場日に株価の上げ幅が最も大きかったのは国内最大のCDNのサービスプロバイダー「蓝汛通信」(ChinaCache)(Nasdaq:CCIH)である。

中国とインターネットは現在最も人気のある二つの言葉で、二つを一緒にすれば投資家の関心を引き付けることになるとカリフォルニア州の投資会社Greenwood Capitalのチーフインベストメントオフィサーのウォルタートッド(Walter Todd)は述べた。また、今年のインターネット関連企業の好調さも1つの有利な要素であるという。

書類によると、スイスのクレディスイスグループ(Credit Suisse Group)とドイツ銀行が土豆网IPOの引受を担当する。また、9月末まで土豆网の登録ユーザー数は7170万人で、2007年末までの1630万人より3倍以上増えたと示した。

土豆网は2005年に成立されて、以前は5回の融資で少なくとも1.35憶ドルの資金を募った。その投資者は「凯欣亚洲」(Crescent Point)、「IDG中国」(IDG China)、「纪源资本」(GGV Capital)、ベンチャーキャピタルであるGeneral Catalystシンガポール政府の投資機関「淡马锡控股」(Temasek Holdings Pte)などを含む。

易観国際(Analysys International)が9月9日に公表した調査報告によると、第1四半期における优酷网の中国インターネットビデオ市場での市場シェアは約18%で、土豆网の市場シェアは約13%である。

実際(中国で)利用してみると画質やスピードの点で优酷网の方が圧倒的に進んでいる。今回の土豆は今回のIPOで集めた資金で、优酷に対抗しうるシステムの構築を目指すようである。しかしながら著作権については不明瞭で日本を初めとした海外の映像コンテンツも大量に陳列されている。中国に限らず今や動画サイトに関しては完全にやったもの勝ちの状態になっている。
この流れ、音楽、動画と来て次は本だろうか? コンテンツホルダーはより柔軟性のある対応が必要になりそうな話である。

なお、外資が中国で動画サイトを行うにはICPより厳しい規制があるので、不可能だと考えてよい。動画の部分はYoukuの埋め込みで対応するのが普通だ。