中国鄭州 公的ネットで不動産取引を監視・監督。アリペイのような保障システムも

河南省鄭州市住房保障和房地产管理局(住宅保障と不動産管理局)は《郑州市存量房网上交易和结算资金管理办法》(鄭州市中古物件ネット売買と決算資金管理方法)(以下は《方法》と略称)及び実施詳細を発表した。
《方法》によると、12月10日から、鄭州市は存量房(中古住宅)の取引が行われる時、住宅取引資金の全額を監視・管理するという。

資金の監視・管理とは、中古住宅取引の過程で、取引資金の安全を確保するために、買い手は取引資金を鄭州市住宅保障と不動産管理局が提供した監視・管理の口座に入れる必要があるということ。買い手が住宅の所有権証明書を取得した後、鄭州市住宅保障と不動産管理局は売り手に代金を支払う。

もしローンが必要なら、売手買手双方が資金の監視・管理の手続きをした後に、銀行へローンを申請する。銀行がローン資金を監視・管理の口座に入れた後、住宅移転の登記手続をする。

この過程の中では、住宅保障と不動産管理局は「アリペイ」と同じようにエスクローサービスの役割を果たす。買い手が資金を監視・管理の口座に入れた後に取引を失敗した場合、お金は買い手に返済される。また、資金が監視・管理の口座に入れると利子が発生する。取引が成功したら、利子は売り手の所有になる。取引が失敗したら、利子は買い手の所有になる。

中古住宅の取引にはよく問題が起こる。買い手がお金を払ったら、住宅の所有権証明書の移転の遅延や売り手が資金を獲得後、行方をくらますことが頻発している。また、中古住宅を売買する時、取引双方が不動産屋に依頼することが多い。しかし、いったん悪徳不動産業者に資金を流用されたら、売手買手双方は重大な損失を被る。この政策が実施されれば、売手買手双方及び不動産屋の問題行為を規制することができる。

《方法》によると、仲介ブローカーが中古住宅の取引をするためには、鄭州市住宅保障と不動産管理局にネット取引登録認証資格を申請しなければならない。営業許可証、備案証明書(登録証明書)及び不動産ブローカーの身分証明書を提出必要がある。登録認証した後、不動産ブローカーはユーザーコードとパスワードを獲得する。不法な仲介ブローカーならその資格を取得することはできない。

手続きは簡単であり、信託管理機関と銀行は信託の手数料を取らない。消費者がブローカー機関を通じて取引をする時、ブローカー機関及びブローカーは取引保障機関や銀行の名義で手数料を取ってはならない。

資金の監視・管理を取り扱う時、次の書類を携帯することが必要。
1、売買双方の身分証明書(身分証明書を検証し、そのコピーを保存する)。
注:取引双方が親族の場合、例えば、親と子、祖父母と孫、兄弟姉妹などの親族は住宅移転行為が発生する場合、親族が同じ戸籍なら証明する必要がない(戸籍簿を検証し、そのコピーを保存する)。
親族が同じ戸籍ではなかったら、戸籍の所在地の派出所(中国では警察が戸籍を管理している)やコミュニティが親族関係証明を出す必要がある(証明書のオリジナルを保存する)。

2、住宅の所有権証明書(所有権証明書を検証し、そのコピーを保存する)。

3、売買契約書、監視・管理契約書(各3通ずつ)。

4、申請者が来ない場合、公証書と委託者の身分証明書を提供する。

不動産取引のトラブルを回避するという目的ですが、中国では現在、「住宅ローン規制」、「地元住民の優遇」、「新税、房産税(来年実施?)」、「1世帯で1件のみ購入できる規制(上海)」、と相次ぐ不動産規制が行われています。そして今回の新しいシステムは不動産取引そのものを地方政府が完全にコントロールすることに他なりません。

不動産購入者のほとんどがお金持ちですが、中国の場合、富の偏在を正当化する合理的な理由が存在しないのが問題で、大体のお金持ちは改革開放の初期に外国企業が進出した沿岸部の人々です。
もし、沿岸ではなく内陸部が経済特区にでもなっていたら、全く別の展開があったことでしょう。「可能な者から先に裕福になれ。そして落伍した者を助けよ」の先富論ですが、戸籍の問題もあり結局のところ豊かになれる人は、実力等に関わらず予め決まっていたともいえます。そのせいもあり、ネット空間での金持ちに対する視線は非常に厳しいものがあります。

名目をつけて不動産取引の管理を強化することは、こういった不満を吸収しつつ、バブルを軟着陸させるために直接的な統制手段を予め保持しておくのと同時に、公的部門が上手くやるための布石なのかもしれません。これは一地方都市の話ですが、これをモデルケースとして今後上海や北京など、全国的に実施される可能性も、もしかしたらあるかもしれません。