中国インターネット事情

ITを中心に中国の事 もろもろ

中国宅配便のトンデモ人海仕訳。アリババが慌てて物流業界に参入する理由

2010年年末のオンラインショッピングブームにより、宅配便の業務量が急増し、多くの宅配便サービスの遅延、破損、遺失、配達員の資質の低さ、荷物の仕分けに対する野蛮な処理などの問題が露呈した。

最近、「申通」、「圆通」、「中通」3つの大手宅配便企業のスタッフが荷物の仕分け作業時の野蛮な作業方法がビデオが公開され、さらに社会から非難を受けた。これらの情況は宅配便業界の標準品質の欠如を示している。
 

この問題に対し宅配便業界の関連規制の制定に取り組んでいると中国国家郵政局が表明している。関連基準は今年第一四半期に公布される可能性があるという。

国家郵政局の関連責任者の紹介によると、国家郵政局は外資、国有、民間企業の3種類の宅配便企業の会社規程を収集したという。それらの規程を比較研究した後に比較的バランスの取れた基準を作成すると表明している。

基準は宅配便荷物の発送・受取、処理、配達などに対して明確な規定を作成し、荷物に対する乱暴な作業などの行為を禁止する。また、毎日処理する荷物の件数が一定の数量に達した企業のサービス拠点のインフラに対して、一定の要件を求めることになるという。
それに加えて、国家郵政局は今年宅配便業界に対する監督・管理を強化する予定だという。


散乱する荷物。ぶん投げられる荷物。ビデオは凄い状態です。自動仕分け機とか物流品質とかそんなものありません。そこにはトンでもな人海仕訳があるのみ。

この記事は次のURLのアリババ物流事業参入の話に続く
https://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=404
ものとして執筆しましたが、電子商取引の発展のためには、やはり物流の近代化が必要だという事なのでしょう。
ちなみに、実用的な観点からは中国では梱包をかなり頑丈にするので、あのトンデモ仕訳でも中の物は意外と大丈夫だったりします。しかし、やはり破損などによる返品率が上がってしまう明らかな要因と言えるわけでEC事業体としては何らかの対策を打つ必要があるわけです。
もちろん、宅配便ネットワークカバー率がまだまだ低いという要因の方が参入に対する必然性という点では大きいとは思いますが、この物流品質の低さも結構なウエートを占めているのではないでしょうか。
つまり、ECを中国で展開する場合は、このような状況も織り込んでおく必要もあるでしょう。


知り合いの中国の人がそれなりの高額商品ではこれらのサービスを使いたくないと言っていました。無くなったりする場合も結構あるようです。そこで春節に帰るときに良いものは自分で抱えてゆくと。今頃は春節にむけて大きな荷物を抱えた人々で駅が埋め尽くされているのでしょうね。

荷物の不配についても、動画を見る限り推して知るべしと言ったところでしょうか。