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3Q大戦に絡み、テンセント、金山(kingsoft)の筆頭株主へ

7月6日、金山軟件騰訊(テンセント)は共同で戦略的な投資提携を行うことを発表した。
金山軟件の株式移転により、騰訊は8.92億HKドルの価格で金山軟件15.68%の株式を取得し、金山軟件筆頭株主になる。
同時に、騰訊は戦略的投資で金山軟件傘下のインターネットセキュリティサービスを運営する子会社「金山網絡技術有限公司」をサポートする。
騰訊から2000万ドルの投資を獲得したと金山網絡のCEO傅盛が7月7日に表明した。

双方は長期的な戦略的関係を確立し、共同でユーザーに信頼できるネットワークセキュリティソリューション提供することを計画している。
また、アプリケーションソフトウェアやゲームの分野で、より広範かつ深い協力を展開する。

業界の人によると、去年の3Q大戦以来、騰訊の単独でネットワークセキュリティを発展させる戦略は変わり始め、国内のセキュリティ企業との提携戦略を強化していた。
また、騰訊金山軟件の提携は金山軟件に有利であるが、提携後の騰訊は、ネットワークセキュリティ分野で360と戦う準備が有る程度できる事になる。
今回騰訊金山軟件の提携は、360の経営にある程度の影響を与える可能性があるかもしれない。  

メディアの報道によると、現在金山のセキュリティソフト「金山安全衛士」のアクティブユーザー数は数千万人であり、騰訊QQ電脳管家のアクティブユーザー数も1千万人を超えている。しかし、360安全衛士のアクティブユーザー数は約1億人で、1位を占めている。

筆者も前回の3Q対戦(2010/11)の時に、出口戦略はQQによる買収と書きましたが、そんな感じの流れです。
https://chinese-homepage.com/modules/d3blog/details.php?bid=337

テンセントとしては、なんとしても360を叩きたい。今回の投資もその為であろう。
しかし、360と言うソフトは一度入れてしまうと、アンインストールしてもサービスプロセスが残っている。
このプロセス、一体何をやっているのか良く分からないが、手動で完全に消去するのはとても面倒だったのを覚えている。

つまり、一度入れたら事実上消せないという特徴を持っているので、ソフトの乗り換えは不可能ということになる。
また、中国では、ガリバーQQに対する反発からか、意外と360を支持する意見も多い。

したがって、シェアの逆転は、かなり難しいのかもしれない。