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3Q大戦 テンセント傘下の決算サービス財付通にセキュリティ問題? 360が発表

7月7日、360セキュリティセンターは重大なセキュリティ警告を発表した。
テンセント傘下の決算サービス「財付通」(TenPay)には高危険度のセキュリティ・ホールが現れ、そのデジタル署名証明書がハッカーに利用されてトロイの木馬が作られたとのことである。
ほとんどのアンチウイルスソフトウェアはそれを防ぐことができず、すでに数多くコンピュータが感染し数千万レベルの数のユーザーが危険に曝されているという。

財付通のセキュリティ・ホールはすでにハッカーに利用されたため、この種類のトロイの木馬の数と感染量は急激に増えている。
現在のところ、360はすでにこのセキュリティ・ホールのディテールの具体的な情報を国家の脆弱性情報データベースとテンセント会社に提出した。
同時に、360安全衛士と360殺毒は緊急アップグレードしたので、「財付通トロイの木馬」ウイルスを検出し、対応することができるという。

360のこの動きは多くのユーザーのネットバンクの安全性に対する心配を高めている。
これは間違いなく360による敵であるテンセントに対する攻撃であるが、現在のところテンセントからの応答や解決策はまだない。

財付通はテンセント傘下のオンライン決済プラットフォームである。取引額で計算すれば、財付通はアリババの支付宝(アリペイ)に次ぐ第2位に位置し、約20%のシェアを占めている。

それ以外に、テンセントのコア製品QQのIDとパスワードの盗難問題は昔から多くのユーザーに困らせてきた。
テンセントは数年間に何度もQQのセキュリティシステムをアップグレードしたが、まだハッカーの前ではザルで毎日盗まれるQQ番号とパスワードは無数にある。
巨大な利益に関わっているので、専門的にQQのIDとパスワードを盗むことで生計を立てているハッカーもいる。
長年に渡って形成された、QQのIDとパスワードを専門的に狙い販売するブラックな産業チェーンは、QQユーザーのアカウントを常に脅かしている。
しかし、それに対してテンセントは何も対策をおこなっていない。

また、テンセントの公式ウェブサイトもハッキングされたり、ハッカーの攻撃でアクセス不能になったりしたことが数回もあった。
これらのことはテンセントが、ネット攻撃に耐える能力に欠けていることを示していると考えられる。

セキュリティ対策を早急に進める必要があるが、センセントは資金の優位性を持っているが、短い時間で人材を集め、独自でセキュリティソフトウェアを開発するのは現実的ではない。
したがって、金山(kingsoft)の株式を取得し、セキュリティ技術のサポートを得るのは最速の方法かもしれない。
しかし、両者の提携が、テンセントの製品の安全性に根本的な変化をもたらすことができるかどうかは、まだ時間と事実の検証が必要である。