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中国 温州地下金融の崩壊 築かれる不良債権の山400億元(5000億円)

嘗て、不動産業界を席巻した温州が、近ごろ民間金融危機でまた人々の関心を集めている。
企業経営者が債務問題で夜逃げすることが温州で頻繁に発生し、多くの企業は資本調達の危機に陥っているという。
現在、温州を支えた民間金融が崩壊し企業倒産が激増しているのだ。

"金持ち"が外から見た温州に対する第一印象である。世界でも不動産価格の最も高い都市の1つとして知られ、温州全体の価格は4.5億元でマンハッタンが10回買えるという。
同時に、温州は高級ワインの消費が最も高い都市の1つであり、輸入ワインは全国の30%を占める。そして、世界で高級車の密度が最も高い都市の1つである。
しかし、奢れるものは久しからず。富裕だったこの都市に民間金融ネットワークの崩壊が訪れた。

温州の民間金融は長い歴史を持っており、温州民間企業のほとんどは民間融資に頼って発展してきた。
温州の民間融資では、仲介者が重要な役割を果たしている。仲介者は担保会社や小額ローン会社のことを指す。
現在、温州には48の融資担保会社と188の非融資担保会社、30の小額ローン会社、及び400以上の営業許可証のない担保会社があるという。

今回の危機は、仲介者による不法な資金調達や違法融資(地下金融)が直接の原因で、温州を助けることはこういった地下金融機関を助けることだという見方がある。

中央銀行温州市中心支店が発表した「温州民間貸借市場報告書」によると、温州の民間金融は1100億元に達しており、89%の家庭や個人、59.67%の企業が関与しているという。
それらの資金が不動産市場に流入。全国的な不動産バブルを招いていた。

2011年の初め頃から温州の一部の企業経営者が蒸発してこの危機が始まった。
9月になって、「飛び降り自殺」、「夜逃げ」などが温州の流行語となっていた。
同時に、関連する担保会社も続々と倒産している。高利貸しによる暴力的取り立て、不法拘禁、悪意のある借金未払い行為、企業の資産を略奪する行為などの紛争が日増しに増えてきた。

9月21日、温州の眼鏡業界のリーダーの「浙江信泰集団」の取締役会長胡福林が逃げて、今回の危機をエスカレートさせた。
この事件は今回の危機が中小企業から大企業へ広がることを示す事件だと見なされた。

現在のところまで、温州には82の企業の91人のボスが夜逃げしたという。
説得されて戻ってきたのが12人、再び連絡が取れたのが15人いる。
この危機での不良債権は一般の7つの銀行で17.6億元。民間金融の損失は300億元~400億元になるかもしれないと推定されている。
事実上国営の銀行より個人等が出資した民間金融のほうが損失が大きいのは、銀行はあまり民間企業には融資をしないためだ。

この温州の状況について、ネット掲示板によれば不動産バブルの元凶ともみなされる温州の救済に対して厳しい意見がある。
温州炒房团も壊滅状態である。