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中国EC市場の現状。今後の展開は?

最近、IResearchが発表した統計データによると、2011年に中国中小企業B2B電子商取引の収益規模は131.0億元に達しており、35.1%増だった。
中でも2011Q4の収益規模は36.3億元で、対前年比33.5%増で、対前期比9.6%増だった。2011年、中国中小企業B2B電子商取引市場の収益規模は、安定した成長を示していたが、対前年比成長率が明らかに落ちた。

IResearchの分析では、2011年中小企業B2B電子商取引市場の収益規模が安定した成長を維持したのは、主に2つの原因がある。
1つは企業の電子商取引の普及率が年々向上すること。中小企業は次々にオンラインの宣伝費用を増やし、付加価値サービスへのユーザーエクスペリエンスを向上させた。
もう一つはコアのサービスプロバイダのビジネスモデルが徐々に拡張していたこと。
有料会員、オンライン取引、付加価値サービスなどの業務は着実な成長を維持した。また、ショッピングモール出店費の上昇の措置はB2B電子商取引業界の参入障壁を高め、サービスの質を改善し、ある程度悪質な価格戦争を避けた。

2011年中小企業B2B電子商取引市場の対前年比成長率が落ちたのは、主に国際金融危機人民元高の影響により、外国貿易市場の発展が緩やかになっていたためである。
特に、欧米の債務危機の継続的な蔓延により、外国貿易はより一層困難な状況に追い込まれた。
国税関の統計によると、2011年11月の月末までのところ、中国の輸出入総額は約3.3兆米ドルで、対前年比22.9%増だった。
成長率は前年に比べて13.4%下がった。
IResearchの予測では、国際市場環境の改善に従って、外国貿易経済は急速に発展していく。
また、マクロ経済の継続的な回復と相まって、将来中小企業B2B電子商取引市場の全体の市況は楽観視できるという。

統計では、2011年中小企業B2B電子商取引のTOP8のサービスプロバイダの合計収益シェアは74.8%で、前年同期より8.7%下がった。
アリババは依然として業界では独占的地位を維持し、48.9%を占めていた。
「環球資源(www.globalsources.com)」、「慧聰網(www.hc360.com)」、「中国制造网(cn.made-in-china.com)」、「敦煌網(www.dhgate.com)」はそれぞれに市場収益規模の11.1%、3.5%、3.4%、3.3%を占めていた。


2011年中小企業B2B電子商取引市場の競争はより激しくなった。サービスプロバイダは企業合併や買収、製品更新、事業再編、業界細分化などの方法を通じて競争優位性を強化し、差別化戦略でユーザーを引き付けて、潜在的なユーザーを獲得しようとしている。
各サービスプロバイダは国内外貿易市場環境の変化に基づいて、先手を打ち、よりカテゴリーに特化した戦略に調整するべきだとIResearchが考えている。

また、IResearchの分析によれば、大規模かつ全面的な総合B2Bプラットフォームは既に顧客の多様化・個性化のニーズを満たすことが困難になった。
突破口を模索し、均質な現象を避けるためには、業界の細分市場は新しい成長点になる。垂直モデルは必然的な選択となる。

垂直型B2Bは中小企業の発展により適切だとIResearchが考えている。
ある業界に専念し、専門的な情報プラットフォームを構築するために全ての力を集中的に注ぎ込むため、また潜在的な顧客が比較的に集中しているので宣伝コストを削減できる。
垂直型B2Bはユーザーにパーソナライズされたサービスを提供し、ユーザーのニーズを満たすことをより重視する。
将来、B2B電子商取引市場は大規模かつ全面的なモデルから専門的なセグメントのモデルに転換していくとIResearchが予測している。

中国ECもカテゴリーキラーの時代に将来移行するってことですかね。
現段階でそれなりに大きなシェアを持っているECモール以外は、特定の分野に集中する以外、勝つ術はないということなのだろう。