中国インターネット事情

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受験競争で勝ったら 次はアップル製品でメンツを保つそうだ

中国では、今月中ごろから高校や大学で新入生が学校へ行くことになる。
受験に勝利して良い学校に入ったとしても、中国の新入生にとっては入学する学校でどうメンツを保つかという新たなる問題に突き当たることになるようである。

最近、中国の秋葉原とも言われる中関村に、この問題を解決するべく、母親と大学への入学を控えた娘のある親子が訪れたようである。
要は入学祝いの買い物に来たのである。

どうすればメンツを保てるのか?
娘の意見は明確であった。
"苹果三件套"を手に入れることである。
これは、iPhone4s、iPad3、mac bookのアップル製品のフルセットのことだ。
しかも、これらの製品の中でも最もグレードの高い製品でなくれはならないという。

当然ながら、母親は価格が高すぎると拒否。
しかし、娘は"苹果三件套"がなかったら、新しい学校で自分はどうやって面子を保てばいいのと、その場で泣いて叫んだという。


傍からみればというか、外人からみれば、只クソガキ過ぎるぞというこの話も、中国のソーシャルネットでは結構転載されているようだ。
もちろん、クソガキだという意見が主流ではあるが、中国ではiPhoneを持っている人が多く、その理由は概ね機能ではなく面子のためなので、この話を笑うことはできないという心理も働いているのかもしれない。

格差社会の中国では、モノを持っていないと学生同士の交流が進まないと言った面もあるようだ。

中国の有名大学は省別の出身比率をみればわかる通り、圧倒的に都市優遇である。
有名大学には地方毎に枠があるのだが、人口の多い省よりも、地元の都市の入学者数の比率が圧倒的に高いのである。
生まれてこの方20km四方を移動したことがないような山村から出て来た学生は、物を持った都会人の多い大学ではかなり浮いた存在になるのだという。

まわりが、iPhone4s、iPad3、mac bookを持った譲ちゃん坊ちゃんだとしたら、そんな山村の学生は不満を持つと思いきやそうでもない。
要領は悪いものの山村から来た学生のポテンシャルは非常に高い。地方の質の悪い教育を潜り抜けて、都会のこのようなクソガキに勝利したのだから当然だろう。

そう言う人にはだいたい党から声が掛るようだ。