中国インターネット事情

ITを中心に中国の事 もろもろ

中国でシステム開発 安いとは言えない

日本のシステム業界では昔から人月ですが、これが中国の賃金上昇にしたがって日本に迫る水準に達しているようだ。
昔からブラック業界の代名詞として君臨している日本のシステム業界。サービス残業当たり前の状況から考えると日本側の単価はさらに下がることになる。

中国の会社は、退社の時間が早い。
あまり残業しない文化だし、そもそも何で、タダ働きしなけりゃならないとも考えている。
相手は給料を支払う気の無い経営者かもしれない。
会社は決して共同体などではなく、社長と社員は常に対立関係にある。相手に対する信頼感は限りなく低いのである。
給料未払いなら、その社員の同郷出身者の団体が介入し武器を持って社長のところに押しかけ、刀を振り回して回収するなどという話もある位である。

さらに、中国の場合新卒だと余程優秀な人かコネがある人以外はなかなか就職先がないので、タダ働きで修業をする人も多い。
つまり会社が育てるといった感覚はまるでない。
したがって、会社に対してなんら恩義はなく、日本人のように会社にドップリ浸かるという事にはならない。

一応、そのなりの技術をもったIT系人材は中国では結構優遇されていて、日本のようにブラック企業とは見なされていないようだ。
同職種の中国現地採用日本人とさほど差がない感じで、他の職業よりは給料が高い。

IT業界 日本ではブラック業界 中国では比較的ホワイト業界という図式が成り立つかもしれない?

残業王の日本ブラック企業と残業なしの中国ホワイト企業の戦いとなると、途端に日中のコストがフラット化してくる。
日本のフリーランサーのサイト等をみていると、中国よりはるかに安い価格での開発金額が提示されていたりする。
デフレ日本をナメてはいけないという訳である。
翻訳などの手間を考えれば、中国でプログラムを作る意味はあまり無くなってきているのかもしれない。

中国から製造業が逃げてゆくのに続いて、システム産業も中国から東南アジアへシフトが今後さらに加速することになるのではないだろうか。
ハッキリ言って中国の給与上昇は、労働者の生産性が向上したわけでもなく単に投資が流れ込んでインプレしたに過ぎない。
昔と同じものが高くなり、そしてその同じものが別の場所でより安価に作れるなら、中国である理由は何もないという話である。

もう少しすると、中国のシステム会社が日本のブラック会社を買収したほうが低コストだったというオチもあるかもしれない。