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簡単 自前VPNサーバ構築 さらに海外からAndroid携帯で自宅の電話も使ってしまえ②

VPNだけなら前回の設定で構わないのだが、NTTの光電話対応ルーター(PR-200NE等)はSIPサーバとしても利用できるようだ。
それを見てしまった以上、そのSIPサーバも一緒に利用できないか? と思うのは当然だろう。
ちなみにこれからは、光電話対応ルーターにはPR-200NEが使われているものとして解説する。なおNTTの機械なら大体は同じだ。

さて、そのSIPサーバが使えると何ができるか? 日本にある家の電話を海外からでも利用可能になるのである。
もちろん、国内からでもネット接続があるかぎりどこでも自宅の電話の受発信ができる。
携帯から電話するより、自宅の固定電話から電話したほうが電話料金が安いのは言うまでもない。


使うためには設定が必要で、PR-200NEの設定画面をブラウザで呼び出す必要がある。
ブラウザのURL欄に192.168.1.1と入力すると、ログイン画面が呼び出され、IDとパスワードを入力して設定画面を呼び出す。
このあたり、プロバイダの設定と同じである。

設定画面呼出し後、電話設定>内線設定の内線番号3番に設定することにした。
3番の編集という部分をクリックすると設定項目が現れる。

■以下のように設定
内線番号:3 
ニックネーム:任意 
端末属性:音声専用端末
MACアドレス:必要なし  
ダイジェスト認証:行う
ユーザID:3(内線番号と同じである必要がある) 
パスワード:任意

ルーター側をこのように設定した後、
さっそくSIPクライアントをインストールしたAndroid端末を用意し設定、VPNを通して電話につないだが、発信は可能だが音は聞こえないし着信もできなかった。

動かない!

海外でも自宅の電話を使いまくるはずだったのに。
どうもNATで引っかかっているようで、2重ルーターになっているから仕方がないかもしれない。
もちろん、PCをPPTNサーバとして常時動かしておくなら簡単にできるのだが、なんとかPC無しでできないものか?

実は、NTTのルーター機能ありの光電話対応機器には2つに分離できるものがある。
筆者が試したPR-200NEも1つに見えるが実は2つだった。光電話に対応していない機械と、光電話サーバ・ルーターの部分に物理的に分かれている。
この二つの間は、普通のLANケーブルで結ばれていて、LANコネクタから外すことにより普通に分離することができる。

ここで整理するために、
・光電話に対応していない機械(ONU 光回線終端装置)=A
・光電話サーバ・ルーターの部分(CTU 加入者網終端装置)=B
VPN対応ルーター(WZR-300HP)=C
※A、Bは一つの機器(PR-200NE)を物理的に分離したもの。
とする。

ここで、AとCを直結しつつ、Bのルーター機能は必要ないが光電話サーバだけはうまく使えないかという話になってくる。
こうすれば2重ルーター化することなく、自宅の電話を使うことができるだろう。

ネットワークの構成は以下のようにした。(IPアドレスは任意)

Aに3ポートハブを繋ぎ、残りのポートにBとCを接続する。PPPoEの認証はCで行う。
なお、BからPPPoEに接続しないように設定されているPPPoEのIDとPASSを消去する。フレッツスクエアも消去。
さらにCのDHCPサーバを利用するので、BのDHCPサーバ機能を停止する。
なお、それぞれのIPアドレスの変更等も行う。Cが192.168.1.1。Bは192.168.1.100など。
この設定を行った後に、BとCの1番ポートをLANケーブルで接続する。
もちろんCのVPN(PPTP)機能は有効にしておく必要がある。
これで、サーバ側の設定は終了。

Android側のSIPクライアントを使ってこのサーバにアクセスすることになる。
Androidには標準でSIPクライアントが搭載されているが、筆者の端末ではその機能が封印されていたので、
「CSipSimple」というアプリを導入した。

以前にBに設定した内線設定を参考にクライアント側も設定する。
ユーザー:3
サーバ:192.168.1.100
パスワード:内線設定で設定したもの。

このように設定しておけば、このサーバのネットワークに入れば自動でログインして光電話が利用可能となる。
海外や3G回線など、外部で利用する場合は、CのVPN(PPTP)に接続すればよい。

問題なく動いた!