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テンセント モバイル分野でのオープン戦略を発表。微信などを解放へ

「1年半前、テンセント(Tencent)はオープン戦略を発表した。その時は主にPCインターネットに対するもので、一定の成果を挙げてきた。
今はこのアイデアをモバイルインターネットに入れると考えている。現在のところは模索しているが、この方面の進捗状況に注意を払ってください」
最近、北京で開催されたモバイル開発者大会会議では、テンセントの会長兼CEOの馬化騰は基調演説でテンセントのモバイルインターネットオープンプラットフォームを構築するアイデアについて話した。

微信」(Weixin)はテンセント初めてのモバイルインターネットに基づいたプラットフォームだと、馬化騰は最初に微信の開放について言及した。
「モバイル開発者のアプリが微信のAPPとインタラクティブ、統合、お互いに呼び出すとジャンプすることができるように、テンセントはAppの間に基づいたAPIを開発した。
また、微信2次元コードの機能を付けた。それを利用すれば、他のオフライン事業者、コンテンツソースとの統合ができる」と言った。

現在、テンセントにおける最もアクティブなユーザーグループは携帯電話Qzoneにある。
テンセントはモバイルインターネットの体験と要求に従って、携帯電話Qzoneを再構築する予定だと馬化騰が述べた。
当然、最初から、オープンプラットフォームにエコシステムを作るために設計する必要があるとしている。

また、他のアプリが直接QQのアカウントとパスワードでログインできるようにするために、テンセントは試しにモバイルインターネットで「QQ互聯」(テンセント傘下のオープンプラットフォーム)を開放する予定だと馬化騰が表明した。
「現在のところはまだテスト段階にあるので、完全に開放していない。協力するために、テンセントは一部の開発者を選んだ」
例えば、最近非常に人気のアプリ「唱吧(Changba)」(無料のソーシャルカラオケモバイルアプリケーション)は最初のテストのリストに入ってる。
効果も非常に良くて、新規ユーザーの50%がQQ互聯の方法でアクセスしたのである。
また、「美丽说」Appの新規ユーザーの35%もQQアカウントシステムからのものである。
これは良いスタートだと言う。

馬化騰によると、ホスティングサービス、LBS(Location Based Services)、支払い、広告を現金に換えるシステムなどを含む、テンセントが開放することができるものはまだたくさんある。
LBSの開放について、携帯にも対応する新しい騰訊街景(テンセントのSOSO地図の町並み機能)は間もなく登場すると彼が述べた。
今後LBSのアプリケーションはテンセントの街景と地図APIを利用して、直接アプリケーションの中で所在地の実際の街並みのデータを表示することができる。

最も心配しているのはユーザーのプライバシーの問題とユーザーの体験の問題だと馬化騰が表明した。
「もし反響が良ければ、我々は良い管理メカニズムを確立することができる。我々はすべてのモバイル開発者にリソースを開放したい。これはプラットフォームにも、開発者にも有益なwin-winである。」と彼が語った。

馬化騰は特に中小開発者のための支援政策に言及した。彼によると、テンセントが出した新しい利益配分政策により、利益配分システムは中小創業者に手厚くするという。
アプリがプラットフォームに入った最初の数ヶ月では、中小創業者の資金が不十分なため、テンセントは一定のメカニズムを通じて収益を中小創業者に返還する。
モバイルオープンプラットフォームでもこの政策を取り入れると言う。

1年半前、テンセントはオープン戦略を発表し、また先ず最初にQzoneソーシャルネットワークプラットフォームを開放した。
それ以降、今年6月の時点でテンセントが彼らに与えた累計利益配分収入と開発者の実際の収入は既に10億元を超えたとしている。


日本のソーシャルゲームプラットフォーム会社なども、テンセントと提携しているとしているが、実際はコンテンツサプライヤーとして、テンセントのプラットフォームを利用しているだけであろう。
せいぜい「QQ互聯」等を利用する良くあるいちAPI利用者である。
しかも、プラットフォーム会社が他社のプラットフォームを使っているのだから日本のような高収益は期待できまい。それでも中国で商売できるだけマシというものかもしれない。

今後テンセントのモバイル分野の解放が進めば、少しでも日本のコンテンツをマネタイズするために、このプラットフォームを日本のゲームメーカーやプラットフォーム会社、映像コンテンツ会社等が利用することもあるだろう。