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春節帰省キップ争奪戦は、ダフ屋からハイテク戦へ

春節前になるといつも話題となるのが、故郷へ帰省するための鉄道切符争奪戦だ。
駅のキップ売り場には長い列が出来て、何時間も待ったのに希望の切符が買えないなんてことがザラに起こる。
購入に失敗した者は、窓口で鈍行で立ち乗り21時間のキップならあるよと言われ仕方なしにそれを買うのである。
満員電車に21時間、ひたすら揺られ続けるのだから、ゾッとする。
春節時期の中国の鉄道には近づかないほうがいい。

結局、輸送能力が無いにも関わらず皆が同時に移動するのだから、誰かが貧乏くじを引くしかないのだが、
誰も満員電車に立ちっぱなし20時間とかいう罰ゲームをやりたくないので、あの手この手で、少しでも良いキップを手に入れるべく奔走するのである。

新幹線切符が手に入れば数時間の旅で、鈍行の立ち乗りなら、最悪の数十時間の旅になる。

以前であれば黄牛と呼ばれるダフ屋を利用するのがキップを購入するセオリーだったが、
最近は購入に身分証明書が必要で、更にキップに名前と身分証明書番号が印刷されるようになったので代理購入が難しく、すでに過去のものとなっている。

逆に去年からインターネット切符予約システムが導入されているので、現実よりもこのサイト上でのバトルが激しさを増している。
平均2秒で、鈍行立ち乗り以外は大体売り切れるというから驚きだ。

何故そんなにすぐに売り切れるのが?

金山や奇虎360などの、いくつかのネット企業がキップ予約サイト専用ブラウザを提供しているためだ。
必要な乗車区間や列車のタイプや日付などの条件や支払情報などを予めブラウザ上に登録しておくと、条件に一致するものが販売されると自動的に各種情報を入力、即座に購入するというのだ。
これさえあれば、キップを買うのが比較的簡単だという。

しかし、最近、政府(工業信息部)がこれらのブラウザを禁止したのだという。

すると、売り切れまでに2秒だったのが2分まで改善したという。
無意味すぎだが。

また、禁止されたはずのブラウザであるが、いまでも普通に購入できるものもあるという。
密かにバージョンアップしているのではないだろうか。利用したい人も多いはずだからブラウザシェア拡大のチャンスである。