中国インターネット事情

ITを中心に中国の事 もろもろ

GoogleのuProxyとかの話

単純な話、ブロックされているものを見ようとするなら、ブロックされていない場所のコンピュータに接続して代わりにアクセスをしてもらうしかありません。
しかし、何の目的もなく代理でアクセスをしてくれるサーバを作ってくれる人は少ないので、情報で払うかお金で払うかという形でのサービスがあります。
それなりに業者が存在しているので、この商売はちゃんと成り立っているようです。

ただ、ブロックされていない場所のコンピュータは特殊なものでなく、別に普通のPCでも構わないので、個人のPCを利用して同じようなサービスを提供しようという動きもあるようです。
個人のPCを代理サーバ化するというやり方は、常にIPが変動するので規制側もブロックしにくく、こういった用途には最適だという考えもあるのだと思います。
サーバ代もいらないし、なんかプログラム一つで世界を変えられるような感じもするし、腕の立つプログラマにとってはチャレンジしがいのある分野なのかもしれません。

個人のPCを代理サーバ化するものとしては、ソフトイーサVPN Gate Clientや、Googleが最近発表したuProxyというものが存在するようです。
http://www.google.com/ideas/projects/uproxy/
uProxyはブラウザのプラグインになっていて、ブラウザに代理サーバを埋め込むというものらしいです。
Googleがこのようなソフトを出してくるのは興味深いのですが、他人のPCに頼らずに太っ腹にサーバを大量に提供というところまではいかないようです。

やはり筆者が思うのは、これは、サーバを建てる側のメリットが少なすぎるんじゃないのか? ということです。
もちろん、知り合いのためにサーバを立てるというのはあるかもしれませんが、全く知らない他人のために立てるメリットがほぼ無いという点が、結局使えないという烙印につながります。
GoogleYoutubeにはサーバを大量に提供していますが、これには提供していませんので、この点はよく自覚しているのでしょう。

導入メリットが少ないとどうなるか? 当然このプラグインは普及しません。
数が少ないので、一部のサーバに利用者が集中して速度がでません。
知人がPCに導入してくれたとしても、個人のPCですから電源がいつでも入っているわけではないので、好きな時に使えません。

継続して安定的にそれなりの速度でこのネットワークを利用するためには数がないと難しいわけです。
知人のPCだけでは明らかに不足で、動いているPCを切り替えて使うとか負荷分散するとかやらないといけません。そのためには数がいるわけです。

じゃあ、どんどん普及して今後サーバが増えるのかといえば、
インストールするとネットの自由に貢献できるぞと言ったところで、メリットが少なく明らかにデメリットが大きすぎるので全く期待できません。
このサーバを通じて知らない人がアクセスして、なんか問題があった場合。例えば成りすましで掲示板に書き込んだとか。
いろいろ面倒なことが多すぎます。

技術的に、似たような仕組みで動いているファイル交換のP2Pスカイプには、導入して常駐にしておく理由(メリット)がありますが、この場合は理念だけです。
やっぱり、きちんと商売としてやっているところのほうが、今後も使い勝手は良いのだと思います。

Googleが流れるデータを解析して、広告を表示するビジネスとかを導入したら、一気に発展しそうですが。