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たそがれの時代。中国で30年後の日本を見た

中国を見ていると2045年の日本も見えたりします。
この前は過去1989年と書いたのですが、同時進行で現代中国には30年後の日本を彷彿させる部分もあるわけです。

30年後と言えば、今でも怪しい日本の社会保障が完全に機能停止する時代なのですが、
最近は「昔の人は大変だったんだから世代間格差についてグダグダ言うな!」 とキッパリ宣言してる厚生労働省の年金マンガが話題となっています。
つまり、格差容認で将来世代は切り捨てますと、役所が堂々と宣言している状況ですので、その世代としてはその時どうなるのか気になるところなわけです。

そこで、社会保障に頼るな自分でどうにかしろ! とスーパー自己責任の国である現代中国の状況がとても参考になるわけです。

・中国の生活保護
100~200元(2000~4000円程度)/月。
日本では保護だけで生活可能ですが、中国では絶対ムリだとおもいます。
物乞いが多いのも、こういった理由があるのでしょう。

・中国の医療費
知り合いの中国農村の方が人工股関節手術をしました。その場合に大体8~9万元(160万円)程の費用が必要でした。
中国の農村保険で賄えたのは2万元程度にずぎず、自腹率75%に達します。

日本で同様の手術をすると総額200万円程度と中国より若干高いですが、保険3割+高額医療費で自腹は10万円程度ですから自腹率は僅かに5%です。
そもそも、金がなければ病院には行けないので、あっけなく命を落とす人も多いはずです。

・中国の年金
全国平均は1500とか3000元と言われておりますが、これはあくまで貰っている人だけの平均額にすぎません。
お年寄りが多い地方や出稼ぎ労働者の受給率は25人に1人だそうです。この率だと社会保険というより、むしろ宝くじみたいなものです。

もちろん、成功して社会保障制度に頼らず、悠悠自適の生活をされている方=いわゆる富裕層も沢山います。

政府が福祉に金を出さないと、このような状況になるわけですね。
厚生労働省の年金漫画の本音が「将来世代は中国の人みたいに自分でどうにかしろ、但し金は払え」である以上、この状況は心に留めておく必要があると思います。

マンガでは、国の年金が一番リスクに強いような書き方がされていますが、借金1000兆の国が一番のリスク要因ですから、結局、自分でどうにかするしかなさそうです。