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内陸へ1200Km 中国の村の人々が信じていること

春節を迎えた中国の寒村。人影のない小道と経年で変色したコンクリート製の家がうらぶれて寂しい。それでも村は一年でいちばん人口が多い。

民工として外で働いた人々が帰省し、寒いから家にこもって麻雀の最中。白酒飲んでワイワイやっている。IMG_6883

村には不似合いな全自動麻雀卓。ある家が導入したら、面子でほかの家も次々に導入され、あっという間に村スタンダードになったという。

面子とまだまだ稼げるという自信からか、豊かではないはずなのに数千元単位(数万円)の金が飛び交っている。人生設計はいっさい要らない、今やりたいからやる。それだけだと金を賭け続ける。

一晩で数十万円負ける人も出てきた。いいんだ又、勝つときもあるという。

年金も健康保険も生活保護も存在しないこの世界で、明日は今日より良いという実感と面子だけを頼りに猛烈に消費する。死ぬときは死ぬから未来を考えても仕方がないという潔さと諦めが数千年続いているのだろう。

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村に最近できた高速道路。春節前はちょっと混んでいた。出稼ぎ先の広東から長距離を走って帰省する人が増えている。車を手に入れることは、故郷へ錦を飾ること。

ある民工の人がアウディを買って村に帰省した。20万元以上したという。未来の保証が何もない中で何故買えるのかと考えてしまう。それは未来は悪そうと延々と考え続けている国の考え方なのかもしれない。

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年金、健康保険、生活保護が存在しないのは元からだし、高級車が買えるようになったのだから、以前より確実に豊かになってきている。

素朴に疑うことなく今後はもっと豊かになると信じている。

今後は中国の村にも「今思考」ではく「年金、健康保険、生活保護」的な「未来思考」が広がるのだろうか? だとしたら中国が大きく減速するのは目先の株とか不動産じゃなくて、その時だ。