まずはブラック商材から。脱タオバオの流れ

アリババ一強の中国EC業界に、最近ちょっとした変化が。
欲しい商品がタオバオやTmallに無く、商品を掲載すると運営に削除されるのが背景にある。

どんな商品かといえば、ニセモノ、工場流れ品、医薬品などのブラック商材。
削除しても需要は消えないし、売り手からすれば最も利益率の高い商品群だ。

怪しい商材はタオバオの華だったはずが、最近は脱ニセモノの流れで削除される。
運営担当に何か払えば何とかなるのかもしれない。そんなコンサルが杭州には沢山あるという話も。

ニセモノ品摘発が恣意的で、同じ商品でも売れない店が削除され、流行りの店が平然と営業しているとか。
裁量という力(どの店の商品ページを消すかというもの)があれば、怪しくなるのが中国の性ともいえる。

だから、売る側も単純で効率のいい方法に移行しつつある。

それが、タオバオ抜き微信直取引。(微店ではない)

その仕組みは、まずはタオバオの客と微信友達になる。すると客はタイムラインでタオバオ店には置いてない商品にアクセスできるようになる。
支払いは微信支付でOK。微信の性質上ネット上の秘密販売クラブのような趣だ。

ブラック商材はECサイトのキラーコンテンツ。
小さな流れだが巨人タオバオに何か影響を与えるかもしれない。

15年9月開店 Tmallのマツモトキヨシのその後

中国でもマツモトキヨシの知名度は高い。黄色と黒の看板が目につき、他のドラッグストアより覚えやすいと知り合いの中国人。

日本の爆買い報道でもわかるように中国人にロックオンされた代表的な爆買対象の企業ということになる。これなら、中国のECプラットホームに出店すれば大成功するのではないか? そんな、爆買い熱を受けマツキヨは15年9月に中国Tmallグローバルに出店した。

で、その後どうなった?

Tmallではどの商品が何個売れたか第三者からでも分かるので、スタートした去年9月から1月分を集計してみた。 上位20件はこんな感じ。

マツモトキヨシ

9月から1月半ばまでの総売り上げがTmallの数字だと2千万元、現状のレートが17.3だから、3億4千万円程度。

商品名のところにある「日本直邮」は日本から中国へ国際郵便EMSで送る。「保税仓发货」は中国国内の保税倉庫から送る方法。

通常の輸出なら課税されるが、EMSは素通りなら税額はゼロ、保税倉庫発なら関税のみ50元以下は無税なので、こちらも高額な商品でなければゼロの場合が多い。

このように安く売る努力をしているのが分かる。実際、商品の価格をみると一月に最も売れた「保税直达豆腐の盛田屋日本豆乳面膜 水洗补水保湿美白去黄气150g」(豆腐の盛田屋ヨーグルトパック 150g)という商品なら、現在95元(一月は90元)=1643円(送料税込)。日本のアマゾンだと1600円(送料税込)で販売されているから中国でも日本でもほぼ同じ価格だ。

でも、新事業、しかも中国相手というリスクを取って日本と同じ値段にしかならないのだから結構大変そう。

中国での通販なら、その返品率が日本とは比較にならないほど大きい。中国進出不要のはずのTmall国際でも中国国内に返品用倉庫の設置を求めている。また、日本のアマゾンと違って、必ずスカイプみたいなチャットで問合せが来るので対応人員のコストもかかる。

このあたり、越境ECでやろうとする会社は現地に法人がないので必ず丸投げせざる得ない。サイト制作、受答え、保税倉庫、返品倉庫(物品を置いておけば保管料を取られる)をパッケージ化して請け負う会社がある。それとTmallの補償金や年会費、システム利用料が入る。そして、忘れてはいけないのがEMSやコンテナ輸送などの物流費で結構コストがかさむ。

マツキヨみたいな店の場合、日本での爆買いの場合は利益率の高いOTC医薬品を神薬12みたいに大量に買ってくれるから、利益率の低い商品があってもいろいろ調整できるけどTmallでは規制があるので薬は販売できない。

日本と同価格じゃなくて値上げできればいいが競争相手が沢山いるから難しい。

つまり、中国の越境ECスキームの場合、確実に儲かるのはオペレーションを行う中国側企業ということになる。マツキヨさんは儲かっているのか?

爆買いの延長ではない越境ECを模索する必要がある。ドラッグストアに爆買い中国人がいるからと言って、単純に越境ECに突っ走るのはどうなんでしょうか。

中国元も下落傾向だし、薄皮一枚の利益が為替変動で消し飛ぶ可能性もあるから、ブームに乗るのではなく冷静に。爆買が話題になって、たったの2年。一呼吸置いてから越境に打って出るか考えた方が得策。

そもそも、アウトバウンドでの中国人相手の商売は難しい。越境にかける資源をインバウンドに向けたほうが得な場合もある。ホームの方がやり易いですから。

もちろん。バンバン儲かっているところは別です。

日本での中国人爆買いに、強敵あらわる

昨日、秋葉原にいったら中国の人がとても多く、爆買いは今のところ続いているようです。
しかし、最近中国経済が減速しているから、今後は爆買いが無くなるのではないか という報道もあるようです。

さて、この爆買い。今後も続くのでしょうか?

上海に居る知り合いの中国人から、ブランド品が日本よりもドバイよりも安い免税店があるんだという話を聞いた。
え、どこの国? と聞いてみると、中国との答え。
そんな免税店あったかなーと。

中国の空港にある免税店って閑古鳥が鳴いていたような記憶があったのだが、この前、浦東空港へ行ってみると状況は全然変わっていた。
いつも閑散としていた免税店の商品が、なぜか飛ぶように売れていたのである。

これはいったいどうしたんだ? と、眺めていると、まず結構安い。
微信からの情報によれば日本の免税価格よりも安いものも多いようだ。さらに、元払いが可能なので、外貨に換える必要もなく余計な為替コストがかからない。
タオバオなどで、店の割引券を購入すれば、さらに低価格での買い物が可能だ。

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メリットは価格だけではない。店舗にない商品でも倉庫にあることもあるらしく、見かけ以上に商品点数が豊富で品揃えも結構あるようだ。
さらに重要なのが、購入しても荷物を持って海外旅行する必要がないということである。購入物は出国のときに預け、帰国の時に受け取ることができるシステムになっている。格安航空の厳しい重量制限でも安心だ。

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中国の空港には、帰国のときにも免税店が存在している(パスポートコントロールと税関の間)ので、帰国時に荷物を受け取ったり、免税品を買うことができるので非常に便利なのだ。

こうして、今は中国の空港でも「爆買い」が起こっているわけである。
空港ではいろいろと工事をしていたので、今後、こうした免税店はさらに拡充されることになるのに違いない。
海外で購入されるよりは、国内でお金を使わせた方が自国経済にとってはプラスだからだろう。

着々と、爆買い包囲網は形成されつつある。

だから、もし爆買いが少なくなったとしても、他にも因果関係がある動きがあるから、一概に中国経済の問題とは言えないわけである。

中国人の爆買いは、日本人が物を買えなくなる前兆現象

中国元が元高円安で20円超えと倍になり、アベノミクスの発動以降、順調に貧乏になってゆく日本。
かつて途上国に日本人が感じていた「物価が安い」という感覚を、中国人が日本に対して持ち始めた。

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中国で流行らせるにはまず日本で流行らせろ

最近、中国で人気なのが「酵素」関係の商品です。
日本の流行が中国へ飛び火したらしく、欧米の流行が日本に伝わるのと全く同じパターンです。
訪中するときに、買ってきてほしいと、中国人の知人よりリクエストされました。

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初心者向け中国越境ECマニュアル② 実際に越境ECで成功している人はどんな人?

中国越境ECで成功している人は…

1.中国人
留学生、日本語学習者、日本人の配偶者など。

2.在中日本人や中国人にコネがある日本人
上海だけで10万人近く居るとされていますし、過去に中国に滞在していたとか、中国人にコネを持つ日本人が沢山います。

この両者が店をやる場合は、中国の有力ECサイトのうちの「タオバオ」に出店していることが多いです。

3.それなりに資本のある企業
資本力にモノをいわせて、中国人を雇ったり宣伝することができます。
実際、中国で最低限の「外資系法人」を作って維持するだけでも、年間数千万円は軽く必要になりますし、
日本企業が越境EC用として使う、中国の有力なショッピングサイト「天猫 tmall」国際版(越境EC向け)の場合は、出店するだけで大きな投資が必要になります。

これら3つが中国越境EC業界の標準的なプレーヤーとなっていて、その中に成功者もいるわけです。

そして重要な点は、必ずしも3(企業)の売上が高いわけではないということです。
実際、中国進出を果たしたメーカーの直売サイトよりも、個人のタオバオ店のほうが売れているなんてことも良くある話です。

それはなぜなのか? そのあたりは次回に。

今日の結論
中国越境ECで成功している人は、大体が中国がらみか資本力のあるところ。
特に、個人系の場合は日中カップルが結構多いと思います。

初心者向け中国越境ECマニュアル① 爆買で巻き起こる日本の越境EC熱

春節での中国人爆買報道が効いたらしい。中国にモノを売りたいという企業が一気に増えた。

日本に来る観光客だけでも、あれだけ売れるのだから、もし中国本土の人にも売れればそのインパクトは計り知れません! ウハウハです!
とか、バラ色の事業計画を作ってしまう会社が、かなりありそうな勢いです。

しかも、近年はチャイナリスクという言葉が染みついてしまったのだから、なんとか中国にあまり関わらずに、でも、本土中国人にはモノを売りたいというムシのいい話になってくる。
凄い矛盾しているし、完全にご都合主義なのだが、方法が全く無いわけでもない。

それを叶える方法が「越境EC」である。
手法は単に、ECで販売してEMSやSALで送るというものだ。

じゃあ、早速うちもサイトも作って。ドメインはCOMよりCNのほうがいいのかな。
オープンソースのECCUBEを中国語化すりゃいいじゃん。

はいこれダメです。
いや、あまりにダメなので、ダメダメダメと完全にダメ出ししておいたほうが良さそうです。

このブログでも初期段階から何時も取り上げているアリババ系の「天猫(tmailか)」や「タオバオ」、社長がアイドルと交際中の「京東商城」以外での物販は無理です。
中国でECなら、自分でサイトを作ろうなどと、一切考えてはいけません。
速度が速い中国国内にサーバを置こうとすると、ライセンスやらなにやらが非常にかったるい上に、誰も買いませんから。これ、経験者は語るです。

筆者は、営利性ICPライセンスやら、備案登録やら、医療業界向けやら、中国のネット系ライセンス取得に関わりましたが、ウルトラ面倒です。
中にはライセンスを取っている間に会社が傾いたなんてところもあります。
中国進出で、得られたものはライセンスのみ! 資金ショートで商売せずに撤退とか笑うに笑えません。

ライセンスが不要な香港あたりに置くという選択もあるでしょうが、いやいや、誰も見に来ない「鬼城=ゴーストタウン」になる確率99.9999%です。
損得勘定ができるなら、選択肢は「天猫(tmailか)」や「タオバオ」、社長がアイドルと交際中の「京東商城」ということになります。

問題は、中国人の協力者が必ず必要なところです。たとえ外国企業向けの天猫国際だとしてもです。
さらには、実際に越境ECで成功している人はどんな人なのか? そのあたりは次回に。

取りあえず、このブログの読者の方は、自社ECサイトを中国に立ち上げるようなムダな努力をする必要はなくなりました。
そんなムダな努力や失敗は筆者が大量にしておりますので。

今日の結論
中国でECやるなら、以下の3つでやるしかない。ムダ金払って中国語自社ECサイトを作るのは止めましょう。

タオバオ
http://www.taobao.com/
天猫
http://www.tmall.com/
京東
http://www.jd.com/

中国人は如何にして日本製品を知るのか? そして爆買の原動力は?

春節で来日した中国人が大量の買い物をしている様子がテレビで流れていた。
沢山お金を使ってくれるので、いいお客さんには違いない。
今回、筆者は中国人の爆買に同行しているうちに、爆買にはちゃんとした理由があることがわかりました。

中国人の爆買に密着していて気付く事は、周りからの「お土産」要求の厳しさである。
それも、じゃがぽっくる5箱買ってこいとか、化粧品箱で買ってこいとか、サマンサタバサのバックよろとか、とにかくウザい。
多くの中国人は、この買物リストを持って来日する。

買物リスト実物

しかし、このネット時代、これだけでは終わらない。
そのウザさに、更に輪をかけるのが微信(Wechat)の存在である。
旅行中にも次々と知人から注文? が舞い込む。
タイガーの魔法瓶ヨロシクとか、DHCのリップクリームよろしくとか、リズリサの服お願いとか。

こうなると微信を積んだ携帯はただのPOS端末と化し、注文を受けた来日中国人はに追い立てられるように買いまくることになるのである。
もはや旅行者ではなく、ただのバイヤー(仕入れ業者)と化しているのであった。

爆買の購買力がスゴイのは、来日している人だけでなく、その影にいるオンラインで繋がった大陸に居る中国人までが購入しているためだったのだ。

これだけ買うと、どう考えても持ってきたスーツケースに入る量ではなく、預け荷物の重量リミットを大幅に超えることになる。

このように、あらゆる知人から日本の商品を買ってこいという、命令に近い要請が次々と入ってくるので、来日中国人は、より深い日本の商品ワールドにどっぷりとつかる事になるのであった。

P2Pシステムに似て、様々な趣向を持った知人それぞれの好みの日本製品を買ってこいやコノヤローと言った形で提案して、そして彼らは、その製品を知ることになるわけである。
理屈は簡単だが、訪日中国人にとっては、かなり迷惑な日本製品知覚のプロセスが爆買の裏で発生していたのである。

当然これは「貸し」となり、知覚した日本製品の中から良かったものを、次に日本へ行く別の生贄に頼み返すという無限ループになる。

さて、今回の爆買騒ぎ、中国人の知り合いをもつ筆者も影響を受けることになってしまった。
これ持っていけないから、今度中国に来るときに持ってこいと、ホイと爆買荷物(ババ)を渡されてしまった。
一度だと多いから、ローンのように分割で持ってくればいいそうだ。
ウザすぎる。

ウザすぎる話だが、中国的関係の中では、むげには断れない。。。
これこそが、爆買の原動力なのである。

中国人 春節の爆買いに付き合ってみました

新宿、原宿、渋谷、秋葉原といった定番コース。
ラフォーレ原宿 マツモトキヨシ、ドンキホーテ、ヨドバシあたり。
春節時期には中国人率が非常に高い地域です。

マツキヨはレジで免税にできて便利。ドンキやその他は免税カウンターでの処理でした。
何が免税になるかといえば8%の消費税です。

資生堂やらカネボウといった有名なメーカの化粧品を買うと思いきや、結構マイナー? なものを縦続けに購入。
Weiboや微信ネットワークから仕入れた日本に関する情報は、一般的な日本人(筆者)が考えるより遥かに奥深いようです。

オフシャルに発信される情報よりも、日本通の中国人が化粧品や洋服の写真をネット大量にアップしている情報の方が影響力があって、何を買うかはそれを見て予め決定しているようだった。
さらに、筆者がお付き合いした方も、行った店、食べたり買ったりしたものをWeiboや微信に逐一アップしていましたね。
このあたりを意図的に形成できればインバウンドマーケティングとしては最高なんだろうけど。

中国人にモノを売るには日本に来る観光客に売る方が圧倒的に簡単なので、今後は様々な業界が中国人観光客向けの商売に次々と参入することになるでしょう。
ただ、戦いは来日後の日本で行われるのではなく、予め中国の閉じた電脳空間で起こっているということが、この商売(インバウント)の特殊な点ではないでしょうか。